受験生環境情報学部って、プログラミングを学ぶ学部ですか?自然環境のことも気になりますが、何ができるのかよく分かりません。
慶應SFCの環境情報学部は、情報技術やデザイン、生命、人の心や身体などを学び、身近な問題から社会の課題まで考える学部です。
なぜなら、人や社会、自然に関わる問題を、科学・技術・デザインなどの方法を組み合わせて研究するからです。プログラミングや環境保護のどちらか一つに学びが限られるわけではありません。
この記事では、5つの研究分野を具体例で紹介し、授業・研究会での学び方、進路、受験前の確認点を整理します。



まずは「面白そう」と思う分野を一つ探してみましょう。そのあとで、何を調べ、何を作り、どう確かめたいかを考えると、自分の関心と大学の学びがつながります。
この記事の要点
- 学ぶ内容:情報・デザイン・生命・環境・人間の5分野があり、分野をまたいで学べる。
- 学び方:授業で必要な基礎を身に付け、研究会と卒業プロジェクトで自分のテーマを深める。
- 選び方:文系・理系の印象だけで決めず、関心のある問題と使いたい方法を具体的にする。
慶應SFC環境情報学部は何を学ぶ?


環境情報学部の特徴は、学ぶ対象の広さと、問題に合わせて方法を組み合わせられることです。最初に、学部の基本と総合政策学部との関係を押さえましょう。
①:科学・技術・デザインから人や社会の問題を考える
環境情報学部では、技術を学ぶことと、人や社会を理解することがつながっています。
大学は、科学・技術・デザインを基盤に、人文・社会科学の視点も取り入れる学びを説明しています。対象はコンピューターだけでなく、生命、建築、都市、人の認知や身体などにも広がります。
例えば「図書館で空いている席を探しにくい」という困りごとなら、空席を知らせる仕組み、座席の配置、利用者が表示を見る行動などを調べることが考えられます。これは、学びをイメージするための当塾の説明例です。
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 学科 | 環境情報学科 |
| 学位 | 学士(環境情報学) |
| 主な学びの場 | 湘南藤沢キャンパス |
学部名から内容を決め付けず、気になる対象と、大学で使われている研究方法を見てみましょう。
大学公式の環境情報学部のカリキュラムでも、学部の教育内容を確認できます。SFC全体の学部やキャンパスを知りたい方は、慶應SFCとはもご覧ください。
②:総合政策学部との違いは研究への近づき方で考える
両学部を比べるときは、どんな方法で問題を考えたいかに注目しましょう。
なぜなら、総合政策学部と環境情報学部は授業や研究会を共有しており、「文系と理系」に分けるだけでは実際の学びを捉えにくいからです。
図書館の例なら、利用ルールや運営の仕組みを考える見方も、情報表示や空間を設計する見方もあります。環境情報学部の紹介では、とくに科学・技術・デザインからの取り組みを確かめてみてください。
同じテーマでも、調べたいことや使う方法によって学び方は変わります。両学部の公式紹介を読み、自分が試してみたい作業を一つ書き出しましょう。
両学部の比較は総合政策学部と環境情報学部の違い、総合政策の研究分野は総合政策学部で学ぶことで整理しています。学部を越えた学びについては、大学公式の両学部の特徴も確認してください。
環境情報学部の5つの研究分野を具体的に知ろう


大学公式では、環境情報学部の研究領域を次の5分野で紹介しています。5つの学科や、所属を固定するコースに分かれているという意味ではありません。
以下の具体例は、各分野をイメージするための当塾の説明例です。実在の授業や研究成果を紹介したものではありません。
①:先端情報システム
情報を集め、処理し、必要なところへ届ける仕組みを研究する分野です。
大学は、インターネット、ユビキタス、計算基盤、知識情報システムなどを挙げています。身の回りの機器がつながる仕組みや、集めた情報を扱う方法も研究の対象になります。
図書館の例では、席の利用状況をどのように把握し、利用者へ知らせるかを考えられます。表示を作るだけでなく、情報が古くなったり誤って伝わったりしないかも確かめる必要があります。
この分野に関心がある人は、「アプリを作りたい」から一歩進めて、どんな情報を、誰へ、どのように届けたいかをメモしてみましょう。
②:先端領域デザイン
デジタル技術と、表現やものづくりを組み合わせる分野です。
大学が紹介する領域には、デジタルファブリケーション、アルゴリズミックデザイン、アート・サイエンスなどがあります。形や表現を考えることと、技術を使って実際に作ることがつながっています。
例えば、図書館の案内表示を試作し、色や形、置く場所を変えて比べることが考えられます。見た目の好みだけでなく、初めて使う人にも意味が伝わるかを見る、という問いを立てられます。
作品や製品に興味がある人は、誰に何を伝えたいか、何を試作して確かめたいかを考えてみてください。
③:先端生命科学
生き物の働きや健康を、実験やデータなどから理解する分野です。
大学は、先端健康科学、システム生物学、システム医科学、環境生命科学を紹介しています。生物の仕組みを細かな要素だけでなく、それらの関係から捉える研究も含まれます。
例えば、生き物の変化を記録し、条件を変えたときに何が違うか調べる作業が考えられます。一つの結果だけで原因を決めず、どの条件の違いによるものかを確かめることが大切です。
生命や健康に興味がある人は、何の働きを知りたいのか、そのために何を測ったり比べたりするのかを考えると、研究内容を調べやすくなります。
④:環境デザイン
建築から地域・都市・地球まで、人が暮らす環境を考える分野です。
大学の紹介には、建築デザイン、地域環境デザイン、都市環境デザイン、地球環境デザインがあります。「環境」は自然だけでなく、人が使う建物やまちの空間にも関わります。
図書館なら、座席や通路の配置、光の入り方などに目を向けられます。空席の表示を変えるだけでは解決しない使いにくさが、空間の側にあるかもしれません。
建物やまちに関心がある人は、どの場所で、誰が、何に困っているのかを具体的にしてみましょう。資格の取得を目指す場合は、研究分野の紹介とは別に、大学の資格案内で履修条件を確認してください。
⑤:人間環境科学
人の認知・学習・身体・心と、周囲の環境との関係を調べる分野です。
大学は、言語・認知・学習、メンタルヘルス、身体動作、社会・コミュニティのウェルビーイングなどを挙げています。ウェルビーイングは、人がよりよい状態で暮らすことに関わる考え方です。
図書館で案内が見つからない場合も、表示があるかどうかだけでなく、人がどこへ注意を向けるかを観察する見方があります。同じ案内でも、初めて来た人と、慣れている人では受け取り方が違うかもしれません。
この分野に興味があれば、誰の、どんな行動や感じ方を知りたいかを一つ挙げてみましょう。
5分野の正式な区分と研究領域は、大学公式の環境情報学部の研究領域で確認できます。
授業・研究会・進路を自分の関心につなげる


気になる分野が見つかったら、授業と研究会を調べてみましょう。分野の名前だけでなく、何を身に付けて、どんな作業に取り組むのかを見ることが大切です。
①:基盤科目で学び、研究会と卒業プロジェクトへ進む
自分の研究に必要な基礎を授業で学び、研究会や卒業プロジェクトへつなげていきます。
大学のカリキュラムは、研究会と卒業プロジェクトを中心に、基盤科目や先端科目などを組み合わせる構成です。基盤科目には、外国語、データサイエンス、情報技術などがあります。
授業の多くは学年で固定されておらず、学部を越えて学べます。ただし、必修・選択必修や個々の履修条件もあるため、すべてを無条件に自由選択できるわけではありません。
研究会は原則として2年生からで、本人の能力次第では1年生から履修できる場合もあります。希望する研究会の募集や履修条件は、最新のシラバスなどで確認しましょう。
大学公式のカリキュラムの特徴を読み、関心のある研究に必要そうな基礎を一つ探してみてください。
②:関心を対象・方法・確かめ方の3つに分ける
学びたいことは、「対象・方法・確かめ方」に分けると具体的になります。
なぜなら、「情報に興味がある」だけでは、どの授業や研究会を調べればよいか絞りにくいからです。調べたい相手や現象、使いたい方法まで書くと、研究の紹介と見比べやすくなります。
学びたいことの確認メモ
図書館の席探しを題材にした、当塾の説明用の仮例です。
| 項目 | 考えること | 記入例 |
|---|---|---|
| 対象 | 誰の、どんな困りごとか | 図書館の利用者が空席を見つけにくい |
| 方法 | 何を調べたり作ったりするか | 利用者の動きを観察し、空席案内を試作する |
| 確かめ方 | 何を見て判断するか | 案内の分かりやすさと、表示の正確さを確かめる |


ここでは「空席案内を作れば解決する」とは決めていません。観察すると、表示ではなく座席の配置や利用ルールに問題が見つかる可能性もあります。



最初の案を正解にする必要はありません。「何が分かれば、その方法でよいと判断できるか」まで書いておくと、授業や研究会の紹介を読む視点がはっきりします。
自分の関心でも、表の3項目を一文ずつ書いてみましょう。書けなかった項目が、次に調べることです。
③:進路は職業名だけでなく身に付けたい力から調べる
進路を考えるときは、仕事の名前と、大学で身に付けたい力を結び付けましょう。
なぜなら、同じ研究分野を学んでも、選ぶ授業や取り組む研究によって経験する作業が異なるからです。学部名だけで就職先が一つに決まるわけではありません。
例えば、次のような作業のうち、何に力を入れたいかを考えられます。
- データを集め、条件をそろえて分析する。
- 使う人を考えながら、仕組みや作品を設計・制作する。
- 調査や実験の結果を、根拠とともに説明する。
大学は、企業への就職に加え、大学院進学や起業なども紹介しています。最新の進路を調べる際は、大学公式の就職・進路・資格の案内から、対象の学部・年度・集計条件を確認してください。
「この学部なら必ずこの仕事に就ける」と考えず、やってみたい作業と、その先の進路を両方調べることから始めましょう。
環境情報学部を受験する前に確認したいこと


学部の内容が自分に合いそうだと感じたら、入試方式と必要な準備を確認しましょう。以下は2027年度一般選抜の公表科目と、大学の学部方針に基づく概要です。
①:一般選抜は選択試験と小論文を両方準備する
2027年度の環境情報学部では、選択試験200点と小論文200点を準備します。
選択試験は次の4つから選びます。数学の範囲は、数学単独と、ほかの科目との組み合わせで異なります。
| 選択試験 | 科目の確認点 | 配点 |
|---|---|---|
| 外国語 | 公表科目は英語 | 200点 |
| 数学 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 200点 |
| 外国語および数学 | 数学はⅠ・Ⅱ・A・B。Ⅲ・Cを除く | 200点 |
| 情報および数学 | 情報Ⅰ・Ⅱと数学。数学はⅠ・Ⅱ・A・B | 200点 |
この選択試験に加えて、小論文200点が課されます。「情報だけ」を単独で選べる方式ではありません。数学A・B・Cの領域も含め、詳細は大学公式の2027年度の試験教科と科目で確認してください。
科目の数だけで、受験の難しさは判断できません。選択科目でどこまで対応できるかと、小論文で設問に答えられるかを、それぞれ確かめる必要があります。
大学の学部方針では、小論文で読解力・発想力・論理的構成力・表現力を総合的に評価すると説明されています。学部について調べた知識だけでなく、資料を読み、求められた内容を答案にする練習も進めましょう。
方式と科目範囲の整理はSFCの入試情報、試験のレベルと準備の考え方はSFCの難易度で扱っています。
2026年10月31日確認時点では、2027年度の一般選抜募集要項は未公表で、大学は2026年度要項を参考として案内しています。出願前には大学公式の一般選抜案内で、その後に公表される要項を確認してください。別の年度に受験する人は、受験年度の要項を確認しましょう。
②:AO入試は方式ごとの募集要項を確認する
AO入試を考える場合は、出願する期・方式の条件から確認しましょう。
なぜなら、一般選抜とは選考方法が異なり、必要な書類や日程、出願条件を同じようには扱えないからです。
大学の環境情報学部の学部方針では、問題意識や探究への意欲などを重視する考え方と、入試による評価方法を説明しています。ただし、この学部紹介だけでAO入試の出願準備が完了するわけではありません。
まず「どんな問題に取り組みたいか」「なぜ環境情報学部で学びたいか」を整理し、大学公式の対象方式の募集要項で提出物と条件を確かめてください。一般選抜の科目対策と、AO入試の提出準備を分けて予定に入れましょう。
環境情報学部の小論文対策は当塾へご相談ください


学びたいテーマが見えても、小論文では「自分の関心」と「設問が求めること」を区別する必要があります。答案のどこを直せばよいか迷うときは、設問・資料・答案を一緒に見直しましょう。
①:講義で学んだ知識を資料と設問に結び付ける
小論文の準備では、知識を増やす学習と、実際に答案を書く練習をつなげましょう。
なぜなら、興味のある分野の知識があっても、資料や設問に合わせて使えなければ、求められた答えにならないからです。
例えば、設問が二つの考え方の比較を求めているのに、自分の好きな技術の提案だけを書くと、比較への答えが不足します。まず何を説明する設問なのかを確かめ、その根拠になる資料を読みます。
当塾の全65本の講義では、小論文の基本、SFCの過去問対策、本質理解、アイデア創出などを学べます。講義で考え方を学んだら、問題を一つ選び、自分で答案を書いてみましょう。
小論文全体の学習の進め方は、SFC小論文の対策ガイドでも確認できます。
②:塾長の直接添削で根拠と説明を確かめる
自分では答案の課題を見つけにくい場合は、塾長・後川慶一から直接添削を受けてみましょう。
当塾では、設問に答えているか、資料のどの記述を根拠にしているか、説明が途中で飛んでいないかを確認します。例えば、資料に書かれた事実と自分の推測が混ざっていれば、その箇所を分けて説明できるように考えます。
添削で指摘された部分を補って、自分の答案を確認し直します。その上で、新たに得た視点を次の答案に活かしていきます。
添削はミニマムが月2回、スタンダードが月3回、プレミアムが月4回です。質問・相談は全プランに含まれます。約50分の1on1は、スタンダードが月1回、プレミアムが月3回です。



質問するときは、「この資料の記述から、ここまで言ってよいですか」と、迷った箇所を示してみてください。どこからが自分の判断なのかを分けると、次の答案でも根拠を確かめやすくなります。
添削の活かし方は添削後に取り組むこと、コースの内容はSFC特化コースをご覧ください。小論文の資料の読み方や説明の組み立てで迷う方は、当塾へご相談ください。
慶應SFC環境情報学部でよくある質問


学部選びの際に迷いやすい点をまとめました。受験の条件と、入学後の履修条件を分けて確認してください。
【まとめ】環境情報学部の学びを自分の問いから調べよう


慶應SFC環境情報学部は、情報技術だけでも自然環境だけでもなく、幅広い分野の方法を使って問題を考える学部です。5つの研究分野を入口に、自分が気になる問いを探してみましょう。
この記事のまとめ
- 研究分野:先端情報システム・先端領域デザイン・先端生命科学・環境デザイン・人間環境科学の5つ。
- 学び方:基礎を学ぶ授業と研究会、卒業プロジェクトをつなげてテーマを深める。
- 次の行動:関心を「対象・方法・確かめ方」で書き、公式の授業や研究会を調べる。
- 受験準備:学部への興味と入試対策を分け、受験年度の科目・範囲・要項を確認する。
まずは、気になる問題を一つ選び、誰の何を調べたいのかを一文で書いてみてください。書けなかった部分を、次に調べることにしましょう。
一般選抜を目指す方は、選択科目とともに小論文の準備も進めてください。資料の根拠や答案の説明を自分だけで判断しにくいときは、SFC特化コースの講義・添削をご確認ください。
湘南藤沢小論文アカデミーSFC特化コース
「読む力」を、「書く力」に変える。
慶應SFC卒、指導歴20年の塾長がパーソナル指導で受験まで伴走します。
塾長・後川慶一が直接担当
学び方から、答案の改善まで。









