受験生問1の四つの資料をどう比べ、問2と問3をどうつなげればよいですか。解答例になるまでの考え方を知りたいです。
2026年度の慶應SFC総合政策学部小論文は、問1で資料の比較要約、問2で現代の社会課題と重要性、問3で学びと課題への向き合い方を説明する問題です。
同じ型を三問へ当てはめず、まず設問ごとの条件を分けましょう。
なぜなら、使う資料と答える作業が異なり、問3では問2で選んだ課題を引き継ぐ必要があるからです。
この記事では、各問の条件から資料の根拠、構成メモ、当塾作成例までを順に解説します。
自分の答案と照合しながら、何を根拠に、どの説明を書いたかを確かめてください。
2026年度総合政策学部小論文の公式問題と、大学公式の出題意図を開いて読むと、各説明を追いやすくなります。
ほかの年度や環境情報学部の問題を探す場合は、慶應SFC小論文の過去問・解答例一覧をご覧ください。
この記事の要点
- 比較要約:資料1〜4の違いと特徴を800字以内にまとめる。
- 課題の接続:資料5を踏まえた問2の社会課題を、資料6と問3の構想へつなぐ。
- 答案の確認:条件・資料根拠・説明の対応を自分の答案で確かめる。
慶應SFC総合政策2026年度小論文の問題と3問の全体像


問題・出題意図・当塾作成例を分け、三問の条件を先に確認しましょう。 このページが扱うのは、2026年度一般選抜で出題された総合政策学部の小論文です。
公式問題と出題意図の入手先
問題は解答条件を、出題意図は大学が問う内容を確かめるために使います。 次のリンクは別の資料です。
- 大学公式の問題PDF:冊子5ページに問1〜問3、続くページに各資料があります。
- 大学公式の出題意図:各問でどのような理解や構想を問うかが説明されています。
当該小論文の出題意図は、完成した答案の例ではありません。以下の答案は当塾の作成例として、大学の公表資料と区別してください。
公式公開版では、資料1・2の本文が省略されています。 また、教学社の2027年版総合政策学部の収録案内にも、2026年度小論文の資料2を省略する旨が記されています。
資料1・2の解説では、CAT掲載の同年度問題の冊子6〜8ページも補助参照しています。大学公式の配布版とは配布主体を区別し、演習時は手元の問題に必要な資料がそろっているか確かめましょう。
問1〜問3の条件とつながり
問1・問2・問3の役割を分け、問2の課題を問3へつなげます。
| 設問 | 求められる作業・資料 | 字数と設問間の関係 |
|---|---|---|
| 問1 | 資料1〜4の知識人像・批判を、違いと特徴が分かるように要約 | 800字以内 |
| 問2 | 資料5の社会認識と訴えを論じ、現代の社会課題を一つ選んで内容と重要性を説明 | 全体600字以内 |
| 問3 | 資料6の学部理念を踏まえ、学び・先導者像と問2の課題への向き合い方を説明 | 600字以内。資料1〜5への言及は必要に応じて |
問1は800字以内、問2・問3は各600字以内で、上限の合計は2,000字です。必ず合計2,000字を書くという指示ではありません。


問3で資料1〜5へ言及するのは、必要に応じてです。資料6を踏まえることと、全六資料を答案中で引用することは同じではありません。
問題文に、使う資料・求められる作業・字数・参照する問をメモしてから、各問へ進んでください。
慶應SFC総合政策2026年度問1の解答例と解説


問1では、四つの資料をただ短く並べず、知識人像の違いと特徴が伝わるように要約します。
なぜなら、設問は資料1〜4について、知識人の役割やあるべき姿、知識人への批判を、資料ごとの違いと特徴が分かる形でまとめるよう求めているからです。
問1の設問条件と資料別の比較メモ
設問の原文


各資料の主張と具体例を分け、何に重点があるかをメモしましょう。
なぜなら、四資料を同じ「知識人は社会に貢献するべきだ」という言葉にまとめると、それぞれの特徴を消してしまうからです。
例えば、資料2は植民地の知識層が果たした歴史的な役割を説明しています。
ほかの資料と同じ形の「知識人は〜するべきだ」という主張へ置き換えないようにしてください。
| 資料 | 比較メモ | 根拠を確かめる場所 |
|---|---|---|
| 1チョムスキー | 専門知が権力の正当化に使われることへの批判。社会の道徳的問題を問い直す働き | 冊子6頁:威信と専門知/後半の貧困・人権抑圧等の問い |
| 2アンダーソン | 植民地の知識層の歴史的役割。二言語能力と、支配者の論理を使った矛盾の指摘 | 冊子7〜8頁:知識層の位置/二言語能力/スワルディの例 |
| 3サイード | 自由と公正の原則に立って表現し代弁する個人。私的な経験・感性と公的な言論 | 冊子8〜9頁:公的役割/普遍性の原則/個人の経験 |
| 4ブルデュー | 知的な自律性と社会参加の両立。集団的・国際的な活動と自律性の条件 | 冊子9〜10頁:二者択一の否定/二面性/集団的闘争 |
この表は資料の要点を当塾で整理したものです。逐語引用ではありません。
「誰が、何に対し、どのような働きをするか」を資料ごとに確かめると、比較の対象をそろえやすくなります。 ただし、資料にない主張まで同じ欄へ埋める必要はありません。
資料2のスワルディの例なら、人物名を覚えるだけでなく、その例が「支配者の論理で矛盾を突く働き」の説明になっていることを読み取ります。自分のメモにも、根拠を確かめるページを添えましょう。
問1の構成メモと800字以内の解答例
この作例では、資料順に要点を整理し、最後に資料3・4の重点の違いを比較します。
なぜなら、各資料の説明を追いやすくしたうえで、個人による表現と、知的世界を支える集団的な取り組みという違いを明示できるからです。
- M1:資料1の、権力を正当化する専門知への批判と、知識人が発すべき問い。
- M2:資料2の、二言語能力をもつ知識層の歴史的役割と、その具体例。
- M3:資料3の、公衆へ表現し代弁する個人と、その自由・公正の原則。
- M4:資料4の、自律性と社会参加の関係、集団的な取り組み。
四段落・資料ごとの均等字数は設問の指定ではありません。以下は、このメモを文章へ移した一つの構成です。
当塾作成例
チョムスキーは、知識人の威信や専門知が、権力や既存の制度を正当化するために用いられることを批判する。知識人は、政治的な現実を当然視して技術的な改善にとどまるのではなく、貧困や人権抑圧といった道徳的問題を取り上げ、それを改めるための問いを発するべきだとする。
アンダーソンは、植民地の知識人が民族主義運動を導いた歴史的役割を説明する。彼らは、二言語を読み書きする能力によって西欧の国民国家などのモデルを知り、支配者の言葉と論理を使って植民地支配の矛盾を突いた。その実例が、オランダ人の独立を被支配者に祝わせる行為を批判し、支配を支える人種的な序列を問い直したスワルディである。
サイードにとって、知識人は職業や資格だけで定義される専門家ではなく、公衆に向けて考えや立場を明確に表現し、人々や問題を代弁する個人である。政府や企業に取り込まれず、自由と公正という普遍的な原則から、忘れられた人々への侵害に抗議する。個人の経験や感性が、公的な言論に意味を与えることも重視する。
ブルデューは、知的な自律性と社会参加を二者択一にせず、権力から独立した知的世界の権威を政治的な闘争にも用いる知識人像を示す。知識人が競合しながら個別に権力へ対抗する状態を改め、集団的・国際的に批判や監視、提案を行い、知的活動の自律性を支える条件を守ることを求める。サイードが個人による表現と代弁を強調するのに対し、ブルデューはそれを支える知的世界と集団的な取り組みに焦点を当てる。
字数:622字。改行・段落間の空行とラベルを除き、句読点・括弧・数字を含む答案本文の文字を各1文字として数えています。原稿用紙の段落字下げや行末処理による使用マス数とは区別してください。
四資料の要点を説明できているかと、違いが伝わるかを分けて読んでみましょう。
問1の資料根拠と答案の対応
答案の各文がどの資料を要約し、どこで比較しているかを確かめてください。
なぜなら、資料番号や筆者名があっても、原文と異なる主張や自分の賛否が混ざっていれば、資料の要約として説明できないからです。
| 答案の箇所 | 根拠と構成メモ | その文が説明すること |
|---|---|---|
| 1段落1文目「チョムスキーは、知識人の威信や専門…」 | 資料1・冊子6頁、科学技術と知識人の威信の段落/M1:権力の正当化への批判 | 資料要約:専門知が使われる役割への批判を示し、知識の多さだけを知識人像にしません。 |
| 1段落2文目「知識人は、政治的な現実を当然視して…」 | 資料1・冊子6頁、実用主義への批判と後半の道徳的問題の段落/M1:批判と発すべき問い | 資料要約:現状の小さな改善にとどまる姿勢と、社会の問題を問い直す働きを対比します。 |
| 2段落1文目「アンダーソンは、植民地の知識人が民…」 | 資料2・冊子7頁、植民地の知識層の位置づけ/M2:歴史的役割 | 資料要約:ここは筆者の歴史的説明です。知識人一般への命令文に変えていません。 |
| 2段落2文目「彼らは、二言語を読み書きする能力に…」 | 資料2・冊子7頁、二言語能力と西欧のモデル/冊子8頁、支配の論理への批判/M2:役割を可能にした能力と働き | 資料要約:二言語能力を背景、支配の矛盾を突く働きを役割としてつなぎます。 |
| 2段落3文目「その実例が、オランダ人の独立を被支…」 | 資料2・冊子7〜8頁、スワルディの論説と筆者の説明/M2:歴史的な実例 | 資料要約:前文の抽象的な説明を、資料内の人物例で支えます。自作の歴史例ではありません。 |
| 3段落1文目「サイードにとって、知識人は職業や資…」 | 資料3・冊子8頁、知識人の公的役割と専門家への還元の否定/M3:表現し代弁する個人 | 資料要約:職業上の資格と、公衆へ向けた知識人の働きを分けています。 |
| 3段落2文目「政府や企業に取り込まれず、自由と公…」 | 資料3・冊子8頁、正統思想/取り込み/自由と公正の原則/M3:立場と原則 | 資料要約:誰を代弁するかだけでなく、どの原則に立つかを説明します。 |
| 3段落3文目「個人の経験や感性が、公的な言論に意…」 | 資料3・冊子9頁、私的な経験・感性と公的な言論の関係/M3:個人性 | 資料要約:代弁者を運動の看板や無個性な存在にしない点を補います。 |
| 4段落1文目「ブルデューは、知的な自律性と社会参…」 | 資料4・冊子9〜10頁、自律性/社会参加の二者択一と二面性/M4:自律性と社会参加の関係 | 資料要約:政治参加すれば自律性を失う、と単純な二択にしていません。 |
| 4段落2文目「知識人が競合しながら個別に権力へ対…」 | 資料4・冊子10頁、集団的闘争・国際的取り組み・自律性の諸条件/M4:集団的取り組みと条件 | 資料要約:知識人個人の勇気だけに還元せず、知的活動を支える条件を示します。 |
| 4段落3文目「サイードが個人による表現と代弁を強…」 | 資料3・冊子8〜9頁/資料4・冊子9〜10頁/M3とM4:重点の違い | 資料間の比較要約:両者を相反すると断定せず、本文で強調する対象の違いを比較します。 |
資料3と4は、互いを否定する主張として書かなくても比較できます。 この作例では、個人の表現に重心を置く説明と、自律的な知的世界・集団的な活動に重心を置く説明の違いを示しました。
別の配列でまとめる場合も、四資料の内容を取り違えず、特徴と違いが追えるかを確認してください。資料の内容を変えて、自分が説明しやすい対立を作らないことが大切です。



筆者名を隠して読んでも、その資料の特徴が伝わるかを確かめてみましょう。「社会のために働く」だけでは、どの資料の説明か見分けにくくなります。
要約と比較の基本から確認したい方は、主張と違いを示す要約の書き方へ進めます。
ほかの年度では何が問われたかを横断して見る場合は、SFC小論文の出題テーマ一覧をご覧ください。
慶應SFC総合政策2026年度問2の解答例と解説


問2では、福澤の社会認識と訴えを説明してから、現代の一つの社会課題と、その重要性を論じます。
なぜなら、設問は資料5についての説明を求めたうえで、それを踏まえて現代の課題を選ぶよう指示しているからです。
問2の設問条件と資料5の読み取り
設問の原文


資料5は、当時の社会の捉え方と、人々に求める考え方を分けて読みます。
なぜなら、社会が動揺していたという状況だけを書いても、福澤がその動きをどう見て、何を訴えたかまで答えたことにならないからです。
冊子11ページでは、西洋との接触や制度変革の後にも人々が動き続ける社会を捉え、その動きを文明へ進もうとするものとして説明しています。
続く11〜13ページでは、世論だけに従わない議論、目先の私益だけでない判断、知性と徳性の進歩が述べられます。社会の動きを、福澤がただ否定している文章と読まないようにしましょう。
- 社会認識:当時の社会をどのように捉えているか。
- 訴え:人々にどのように考え、議論することを求めているか。
- 現代の課題:自分は今の社会の何を重要と考えるか。
- 重要性:その課題が誰にどのような影響を与えるか。
四つを合わせて600字以内です。課題の名前と解決策だけを書き、資料5の説明を省かないようにしてください。
問2の構成メモと600字以内の解答例
この作例では、地域の移動手段と生活機会の問題を選びます。
福澤の読解と自分の判断を分けたうえで、なぜその課題を重視するかをつなぐ構成にしましょう。
なぜなら、課題名を挙げるだけでは、資料を踏まえて重要性を論じるところまで示せないからです。
- N1・N2/第1段落:資料5の社会認識と人々への訴え。
- N3/第2段落:現代の課題として、移動手段の不足が生活機会を狭める状態。
- N4/第3段落:健康・買物・交流などの基盤に関わるという重要性。
当塾作成例
福澤は、西洋との接触によって文明の隔たりを知った日本人が、制度の変革後も進歩を求めて動揺する社会を捉えている。彼は、その変化を単なる混乱として退けず、文明へ進もうとする動きと見る。そして、世論や目先の私益に従うのではなく、歴史と将来を見渡して異なる意見を交わし、人間の知性と徳性を進めるよう訴えた。
これを踏まえ、私は、地域で移動手段を確保しにくい人の生活機会が狭まる問題を重視する。自家用車を運転できず、公共交通も使いにくい場合、通院や買物、人との交流を自分で選ぶことが難しくなる。移動の問題は、目的地へ着くまでの不便だけではない。
この課題が重要なのは、移動の条件が、健康を保つことや地域で人と関わることなど、生活の基盤を左右するからだ。交通の採算や現在運転できる人の便利さだけで判断すれば、利用できない人の機会を見落とす。将来自分も運転できなくなる可能性を含め、立場や世代を越えて考える必要がある。人が暮らしを選び、他者と関わって力を発揮できる条件を整えることは、物質的な便利さだけでは測れない社会の進歩に関わる。
字数:458字。改行・段落間の空行とラベルを除き、句読点・括弧・数字を含む答案本文の文字を各1文字として数えています。原稿用紙の段落字下げや行末処理による使用マス数とは区別してください。
これは、過去問ガイドの総合政策2026年度問2の論述例と同じ答案です。ここでは、各文と資料の関係を詳しく説明します。
問2の資料根拠と課題の重要性の説明
資料5の要約と、現代の課題へ応用した自分の判断を分けて読みましょう。
なぜなら、この作例の地域交通の問題は福澤の原文に書かれた事例ではなく、その視点を踏まえて当塾が選んだ課題だからです。
| 答案の箇所 | 根拠と構成メモ | その文が説明すること |
|---|---|---|
| 1段落1文目「福澤は、西洋との接触によって文明の…」 | 資料5・冊子11頁、西洋との接触と制度変革後の人心の動き/N1:当時の社会認識 | 資料要約:西洋との接触と人々の動きを説明し、現代の課題からいきなり始めないようにします。 |
| 1段落2文目「彼は、その変化を単なる混乱として退…」 | 資料5・冊子11頁、人心の動きを文明への発憤と捉える箇所/N1:動きへの評価 | 資料要約:社会の変化を単なる混乱とする読み方を避け、福澤の評価を示します。 |
| 1段落3文目「そして、世論や目先の私益に従うので…」 | 資料5・冊子11〜13頁、世論/議論/歴史と将来/知性と徳性/N2:人々への訴え | 資料要約:福澤が何を訴えたかをまとめます。複数の箇所を要約した文で、逐語引用ではありません。 |
| 2段落1文目「これを踏まえ、私は、地域で移動手段…」 | 問2の現代の課題の選択条件+当塾の問題設定/N3:選んだ社会課題 | 当塾の主張:地域交通と生活機会を当塾の例として選びます。福澤の文章にそのまま書かれた課題ではありません。 |
| 2段落2文目「自家用車を運転できず、公共交通も使…」 | 当塾が設定した条件付きの具体例/N3:課題が生じる状態 | 当塾の説明例:運転できず公共交通も使いにくい場合、と条件を付けます。全地域や全高齢者の実態と断定しません。 |
| 2段落3文目「移動の問題は、目的地へ着くまでの不…」 | 前文から導く当塾の解釈/N3からN4:重要性への接続 | 当塾の主張:移動の不便という説明から、生活機会への影響へ論点を進めます。 |
| 3段落1文目「この課題が重要なのは、移動の条件が…」 | 当塾が示す課題の重要性/N4:生活の基盤 | 当塾の主張:誰のどんな機会が左右されるかを示し、単に深刻だと評価するだけにしません。 |
| 3段落2文目「交通の採算や現在運転できる人の便利…」 | 資料5・冊子12頁、私益と広い利害の判断+当塾の応用/N2とN4:判断の範囲 | 資料を踏まえた当塾の解釈:資料の視点を現代の課題へ応用した文です。福澤自身の交通政策論とは区別します。 |
| 3段落3文目「将来自分も運転できなくなる可能性を…」 | 当塾の時間軸・立場の比較/N4:将来と異なる立場 | 当塾の主張:現在運転できる人だけの便利さで判断しない、という前文の理由を具体化します。 |
| 3段落4文目「人が暮らしを選び、他者と関わって力…」 | 資料5・冊子12〜13頁、文明と物質/知性/徳性+当塾の応用/N2とN4:課題の位置づけ | 資料を踏まえた当塾の解釈:生活の選択を社会の進歩へ接続する当塾の論述です。資料の定義の逐語引用ではありません。 |


課題の説明は「何が起こるか」、重要性の説明は「なぜそれを重視するか」です。 この作例では、移動しにくい状態から、通院・買物・交流の機会が左右されることへ進めています。
別の課題を選ぶ場合も、対象と生じる不利益を具体化してみましょう。大きな課題名を書いただけで、重要性の説明を終えないことがポイントです。



「重要な問題です」の前に、誰のどの選択が難しくなるのかを一文で書いてみてください。そこが言えると、課題の名前と重要性の説明を分けやすくなります。
問2の条件は、課題の内容と重要性を述べることです。具体的な政策提案を必須条件に置き換えないでください。
慶應SFC総合政策2026年度問3の解答例と解説


問3では、問2と同じ課題に、総合政策学部での学びを通じてどう向き合うかを説明します。
なぜなら、設問は資料6の理念を踏まえ、目指す社会の先導者像と、問2の課題への関わりを尋ねているからです。
問3の設問条件と資料6の読み取り
設問の原文


資料6から、専門分野の壁と、複数の学問を基礎に判断する考え方を押さえましょう。
なぜなら、「幅広く学びたい」という言葉だけでは、資料が述べる学部理念と、自分が向き合う課題との関係が伝わらないからです。
冊子13ページでは、専門分野の分析が進んでも、分野の壁によって現実へ総合的に関わりにくくなる問題が説明されています。
14ページでは、選択や行動のために諸学問を判断の基礎として使う考え方が述べられます。学問の名前を増やすことと、学んだ見方で判断することを分けて考えてください。
| 区分 | 問3で確認する内容 |
|---|---|
| 踏まえる資料 | 資料6の総合政策学部の理念 |
| 引き継ぐ課題 | 問2で自分が論じた社会課題 |
| 説明する内容 | 学びを通じて目指す社会の先導者像と、その課題への向き合い方 |
| 必要に応じた言及 | 資料1〜4の知識人像、資料5の福澤の考え方 |
問2の課題を別の問題へ置き換えず、資料6の理念をその課題のどこで使うかをメモしましょう。
問3の構成メモと600字以内の解答例
この作例では、移動しにくい人の生活と地域の仕組みをつなぐ先導者像を描きます。
なぜなら、問2で述べた生活機会の重要性を引き継ぎ、複数の学問の見方が課題への関わりにどう役立つかを具体化できるからです。
- P1:問2の課題に対して、どのような先導者を目指すか。
- P2:資料6の理念と、身に付けたい学びの姿勢。
- P3:費用・制度・生活の実態を捉える見方と、選択肢の比較。
- P4:資料3の代弁という視点も用い、関係者とどう向き合うか。
以下は、問2と同じ課題を選んだ一人の受験生を想定した当塾作成例です。自分の志望に置き換えて考えるための一例で、実在生徒の経験や将来像を示すものではありません。
当塾作成例
私は、移動が難しい人の生活機会を、本人の困り事と地域の仕組みの両方から捉え、関係者と改善の道筋を考える社会の先導者を目指す。資料6は、専門分野ごとの分析が進んでも、分野の壁によって総合的な判断が妨げられることを問題にしている。総合政策学部では、複数の学問を判断の基礎として使う姿勢を身に付けたい。
問2の課題に対しては、交通の採算だけでなく、通院や買物、交流の機会まで視野に入れる。経済学的な見方で費用や利用の条件を整理し、法制度の見方で自治体や事業者の役割を捉え、社会調査の方法で移動しにくい人の生活を知る。その上で、既存の交通や送迎などの選択肢を、負担と利用しやすさの両面から比較する。
また、資料3の代弁という視点を手掛かりに、利用者の意見が決定の場へ届いているかにも注意したい。利用者、事業者、自治体の考えを聞き、立場ごとの事情と判断の理由を共有する。自分の案を押し通すのではなく、実際に利用できる条件を確かめ、必要に応じて見直す。このように、学問の見方を現実の選択へ結び付け、声の届きにくい人も生活を選べるよう、協働する先導者でありたい。
字数:472字。改行・段落間の空行とラベルを除き、句読点・括弧・数字を含む答案本文の文字を各1文字として数えています。原稿用紙の段落字下げや行末処理による使用マス数とは区別してください。
この人物設定と同じ進路を選ぶ必要はありません。
自分なら何を学び、その見方を課題のどこで使うかを考えてみましょう。
問3の学びと社会課題をつなぐ根拠
学ぶ内容・使い方・関わる相手までつなげると、先導者像を具体的に説明できます。
なぜなら、学問名だけでは、その知識を使って問2の課題にどう向き合うのかが読み手へ伝わらないからです。
| 答案の箇所 | 根拠と構成メモ | その文が説明すること |
|---|---|---|
| 1段落1文目「私は、移動が難しい人の生活機会を、…」 | 問3の先導者像/問2の課題への接続条件/P1:目指す先導者像 | 当塾の説明用主張:問2と同じ移動と生活機会を扱い、本人と仕組みの両面から考える立場を示します。 |
| 1段落2文目「資料6は、専門分野ごとの分析が進ん…」 | 資料6・冊子13頁、分野の壁と分析の細分化/14頁、総合的判断/P2:学部理念 | 資料要約:総合政策で幅広く学ぶという標語だけにせず、資料が何を問題にするかを示します。 |
| 1段落3文目「総合政策学部では、複数の学問を判断…」 | 資料6・冊子14頁、諸学問を判断の基礎に使う説明/P2:学びの姿勢 | 資料を踏まえた当塾の構想:資料の考え方を、この人物が身に付けたい姿勢へつなげます。授業の履修保証ではありません。 |
| 2段落1文目「問2の課題に対しては、交通の採算だ…」 | 問2第2/3段落+当塾の構想/P3:課題の捉え方 | 当塾の説明用主張:採算だけでなく生活機会も比較することで、問2で述べた重要性を引き継ぎます。 |
| 2段落2文目「経済学的な見方で費用や利用の条件を…」 | 資料6の諸学問の基礎+当塾が選んだ応用例/P3:何を何に使うか | 当塾の学習構想:経済/制度/社会調査を、それぞれ費用/役割/生活の理解に対応させます。正式科目名の列挙ではありません。 |
| 2段落3文目「その上で、既存の交通や送迎などの選…」 | 資料6・冊子14頁、選択と総合判断+当塾の構想/P3:学びの使い方 | 当塾の行動構想:複数の選択肢と比較軸を示します。具体案の有効性を実証済みとはしません。 |
| 3段落1文目「また、資料3の代弁という視点を手掛…」 | 資料3・冊子8〜9頁、代弁と公的な表現/P4:声を判断の場へつなぐ | 任意資料を踏まえた当塾の構想:問3で任意の資料3を選んだ理由です。全資料への言及が必要とはしません。 |
| 3段落2文目「利用者、事業者、自治体の考えを聞き…」 | 当塾の関与の構想/P4:関わる相手と作業 | 当塾の行動構想:利用者/事業者/自治体の事情を聞き、判断理由を共有する作業を具体化します。 |
| 3段落3文目「自分の案を押し通すのではなく、実際…」 | 当塾の関与の構想/P4:確認と見直し | 当塾の行動構想:案を出して終わらず利用条件を確かめる姿勢を示します。実在の活動実績ではありません。 |
| 3段落4文目「このように、学問の見方を現実の選択…」 | 資料6の総合判断/資料3の代弁+当塾の構想/P1〜P4:先導者像の再確認 | 当塾の説明用主張:冒頭の人物像を学びと行動で支えたうえで結びます。全受験生に同じ将来像を勧めるものではありません。 |


例えば、経済学的な見方は費用や利用条件、制度の見方は自治体や事業者の役割、社会調査は利用者の生活を知る方法へつなげています。
三つの学問名を書くこと自体が条件なのではありません。 選んだ課題を判断するために、どの見方が必要かを説明している点を確認してください。
この作例では資料3にも言及しました。声が届きにくい人の意見を決定の場へつなぐ、という構想に必要だからです。



学問名の後に「それを使うと、この課題の何が分かるか」を添えてみましょう。授業名を並べるより、学びと行動のつながりを示しやすくなります。
問2と問3を続けて読み、課題・対象・重視する機会がつながっているかを確かめてください。
慶應SFC総合政策2026年度の答案を確認するポイント3つ


自分の答案は、解答例との言葉の一致ではなく、条件・根拠・説明で確かめましょう。
なぜなら、表現が似ていても必要な資料が抜けることがあり、表現が違っても設問に沿った説明ができている場合があるからです。
①:設問の条件と必要な資料を照合する
答える条件ごとに、自分の答案のどの文が対応するかを示してください。
なぜなら、書いたつもりの内容でも、答案に説明がなければ読み手へ伝わらないからです。
| 設問 | 確認する条件 | 自分の答案で示す箇所 |
|---|---|---|
| 問1 | 4資料の特徴と違いが伝わる要約 | 各資料を説明する文と、違いを示す比較文 |
| 問2 | 資料5の社会認識・訴えと、現代課題の内容・重要性 | 資料の説明、自分が選んだ課題、その重要性を述べる文 |
| 問3 | 資料6、問2の課題、学びと先導者像のつながり | 学ぶ内容、その使い方、課題へ向き合う行動を説明する文 |
これは当塾が作成した確認表で、大学の採点表ではありません。各欄に自分の文を対応させ、説明のない条件を確かめましょう。
②:資料の読み違いと説明の不足を分ける
直す理由を、知識不足だけでまとめないようにしましょう。
なぜなら、原因が違えば、原文を読み直す、根拠を確かめる、文と文の間を説明するなど、次にする作業も変わるからです。
- 読み違い:問1で資料2を、自分の理想を自由に語る文章としてまとめていないか。
- 条件の見落とし:問2で資料5の説明を抜かしたり、問3で別の課題へ変えたりしていないか。
- 根拠と結論の飛躍:福澤が現代の交通問題をそのまま論じたように書いていないか。
- 説明不足:問3で学問名だけを挙げ、どう使うかを省いていないか。
- 知識不足:課題の内容を説明するうえで必要な知識が足りず、言葉だけになっていないか。
例えば、問2で重要性を説明できないときは、課題の知識を補う必要があるのか、知っている影響を文章にしていないのかを分けます。
まず一つの箇所を選び、原文・自分のメモ・答案を並べて確かめてみてください。
③:指摘された不足を補い次の答案へ活かす
添削で指摘された部分を補って、自分の答案を確認し直します。その上で、新たに得た視点を次の答案に活かしていきます。
なぜなら、指摘の理由を理解して自分の説明と照合しておくと、次の問題でも同じ見落としを点検できるからです。
- 指摘:どの文や資料の捉え方に不足があったか。
- 理由:なぜその説明を補う必要があるか。
- 補充:原文の読み直しや知識の学び直しで、何を補ったか。
- 次の確認:別の問題で、どの見方や説明を使うか。
同じ答案を毎回全文書き直すことを、全員に求めるものではありません。必要な補足・確認と、次の答案へ使う視点を整理しましょう。



次の問題へ進む前に、今回得た視点を一つだけメモしておきましょう。「資料の主張と自分の応用を分ける」など、次の答案で使った箇所を示せる形にすると確認しやすくなります。
条件を構成メモへ移す基本は、設問から答案を作る5つの手順へ。相談するときにそろえる情報は、添削前の問題・答案・相談点の準備で確認できます。
次の演習量は、現在の力に合わせた過去問の練習も参考にしてください。試験中の予定を考える場合は、総合政策2026年度の時間配分へ進めます。
慶應SFC総合政策の小論文は当塾へご相談ください


「解答例の説明は分かるのに、自分の答案のどこが足りないか判断できない」という方は、当塾へご相談ください。
なぜなら、SFCを理解する塾長が設問・資料・あなたの答案を直接照合し、直す箇所とその理由を具体的に伝える指導を受けられるからです。
当塾のSFC特化コースでは、全65本の講義動画で、小論文の基本、SFCの過去問対策、本質理解、アイデア創出を学べます。必要な知識と考え方を補い、自分の答案で使う練習へつなげます。
例えば、資料の特徴を比べられない場合は、何を同じ観点で読むかを学びます。
資料を読めていても課題の重要性を説明できない場合は、主張と根拠をつなぐ説明を確かめます。
塾長・後川慶一が、自ら答案を読み、赤ペンでの指摘と具体的なアドバイスを行います。
- 問1:資料ごとの特徴を説明できているか。自分の意見へ置き換えていないか。
- 問2:資料5の理解と、選んだ課題の重要性がつながっているか。
- 問3:資料6、問2の課題、学びと先導者像の間に説明の抜けがないか。
どの原文を読み直し、何を補い、次の答案で何を確かめるかまで整理することが、指導を使う目的です。指摘を受け取って終わらず、自分の答案と照合して次の練習へ活かしましょう。
チャット・メールによる質問・相談に加え、スタンダード以上では個別オンライン授業もあります。添削や個別授業の回数などはプランによって異なります。
講義内容、塾長の直接添削、質問・相談、個別授業の範囲は、SFC特化コースの講義・添削・各プランでご確認ください。



相談するときは、答案だけでなく「この資料のこの箇所を、答案のこの文へ使いました」と伝えてみてください。判断に迷った場所が分かると、必要な確認を具体的にできます。
現在の答案と学習の悩みは、無料説明会でご相談ください。保護者の方も、今の課題にどの指導が合うかをご確認いただけます。
慶應SFC総合政策2026年度小論文のよくある質問


資料の入手と、答案を読むときの疑問を整理します。 各回答は、2026年度総合政策学部の設問に合わせています。
【まとめ】慶應SFC総合政策2026年度は資料と答案のつながりを確かめよう


問1の比較要約、問2の課題と重要性、問3の学びと構想を分け、資料と答案の対応を確かめましょう。
なぜなら、三問は異なる作業を求める一方、問2で選んだ課題は問3へつながり、各問だけを切り離して読むと関係を見落としやすいからです。
この記事のまとめ
- 問1:資料1〜4の特徴と違いを比べ、要約する。
- 問2:資料5を踏まえ、現代の課題の内容と重要性を説明する。
- 問3:資料6と同じ課題への向き合い方を、学びと先導者像へつなぐ。
- 演習後:指摘された不足を補い、自分の答案を確認して次へ活かす。
次の演習に使う問題は、総合政策学部の5年分の過去問一覧から選べます。
別年度で考え方を確かめたい方は、総合政策2025年度の解答例と解説もご覧ください。
自分の答案を評価できずに止まっている方は、当塾へご相談ください。 塾長が設問・資料・答案を照合し、必要な学び直しと次に確認する作業を整理します。
SFC特化コースの講義と指導内容をご覧いただき、今の答案の課題は無料説明会でご相談ください。
両学部を受験する方は、同じ2026年度の環境情報学部の全問解答例・解説も確認してください。
湘南藤沢小論文アカデミーSFC特化コース
「読む力」を、「書く力」に変える。
慶應SFC卒、指導歴20年の塾長がパーソナル指導で受験まで伴走します。
塾長・後川慶一が直接担当
学び方から、答案の改善まで。








