執筆・専門家監修


後川慶一
湘南藤沢小論文アカデミー 塾長
慶應義塾大学総合政策学部卒業、京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。SFC両学部に現役でW合格し、小論文を20年以上指導。幅広い教育現場で延べ800名以上の学習を支援してきました。
経歴・指導方針を見る
受験生SFCの設問と資料は読んだのですが、何から書けばよいか分かりません。序論・本論・結論の型に当てはめればよいのでしょうか?
慶應SFC小論文は、設問の条件を分け、資料から根拠を選び、構成メモを作ってから文章や図にしましょう。
なぜなら、要約・比較・批評・提案など、求められる作業によって、答案に入れる内容と説明の順番が変わるからです。
「型は知っているのに書けない」というときも、どこで止まっているのかを分ければ、次にすることが見えてきます。
この記事では、SFC両学部に現役で合格し、小論文を20年以上指導する塾長・後川慶一が、設問から答案を組み立てる手順を解説します。同じ作例で、資料・メモ・答案・見直しのつながりを確かめていきましょう。


書き方を決める前に、その設問で何を答えるのかを確かめましょう。
なぜなら、資料の内容をまとめる答案と、自分の意見を論じる答案では、必要な説明が異なるからです。
まずは、設問の要求と文章の型の関係を整理します。
設問の「要約する」「論じる」「図で表す」といった動詞を読み、答える作業を分けてください。
なぜなら、同じ資料を読んでも、要約なら筆者の説明を整理し、意見を求められたら自分の判断を根拠付きで示す必要があるからです。
実際、2026年度の問題でも、求められる作業は次のように異なります。
| 学部・設問 | 求められる作業 | 解答の条件 |
|---|---|---|
| 総合政策学部の問1 | 資料1〜4の違いと特徴が分かるように要約する | 知識人の役割・あるべき姿・知識人への批判を800字以内で整理 |
| 環境情報学部の問1⑴ | 各文章が伝えようとするメッセージをまとめる | A〜Eそれぞれについて、1文または2文・60字以内 |
| 環境情報学部の問1⑵ | 選んだ文章の内容を図で表す | A〜Eから3文章を選び、それぞれを図示。要素の相互作用を意識する |
総合政策の問1で、資料の要約をせずに自分の政策案だけを書いても、要求された作業を満たせません。環境情報の問1⑵なら、文章の説明だけで終えず、図として関係を表す必要があります。
問題を開いたら、作業・資料・形式の三つをメモするところから始めましょう。大学が示す評価情報は、慶應SFC小論文の採点で評価される力で確認できます。
序論・本論・結論やPREPは、内容を整理する道具として使いましょう。全設問へ同じ型を当てはめる必要はありません。
なぜなら、型を埋めることを優先すると、要約に不要な自分の意見を足したり、必要な比較を省いたりすることがあるからです。
例えば、「要約しなさい」という問いでは、筆者の主張と理由の関係を説明します。「あなたの考えを述べなさい」という問いなら、自分の答えと、それを支える説明が必要です。提案を求められていない設問に、必ず解決策を付けるわけではありません。
この記事は答えと理由を先に示して説明しますが、受験答案の順序は設問の指定と内容に合わせます。順序の指定がなければ、必要な説明が伝わる組み立てを選んでください。



書き慣れた型に入りきらないときは、設問の要求を削らず、段落の役割を変えてみてください。「型を守れたか」より、「必要な答えを説明できたか」を確かめましょう。


条件・根拠・構成メモ・答案を対応させると、何を書き、どこを直すかを確かめやすくなります。
なぜなら、文章だけを眺めるより、設問の要求が答案のどこに入ったかをたどれるからです。
ここでは、一つの短い練習問題で五つの手順を見ていきます。学習全体の四段階とは異なり、一答案を作るときの手順です。
以下の設問・資料・答案は、書く作業を説明するために当塾が作成した仮例です。大学の実問題・公式解答例・生徒の答案ではありません。資料量を抑えた例なので、過去問では実際の資料と条件に合わせて練習してください。


作例の設問と資料
設問
資料A・Bの共通点と相違点を整理したうえで、避難情報をスマートフォンへの配信に一本化することについて、自分の考えと理由を600字以内で述べなさい。
資料A
避難情報をスマートフォンに配信する仕組みでは、発信側が状況に応じて情報を更新し、同じ更新内容を広く知らせることができる。受信した人は、その情報を端末で確認できる。変更を速く伝えることは、状況に合った判断を助ける。
資料B
避難情報は、発信しただけでは必要な人すべてに届くとは限らない。通信障害や停電、端末を持っていないことなどによって、受信できない場合がある。情報を届けるには、使える手段が人や状況によって異なることを踏まえ、複数の伝達手段を確保する必要がある。
まず「何を・何を使って・どの形式で答えるか」を分けます。
なぜなら、一つの設問に複数の要求があり、書き進めるうちに一部を落とすことがあるからです。
作例の条件を分けると、次の五つになります。
| 条件 | 答案で必要な説明 |
|---|---|
| 共通点を整理する | A・Bが共に重視する目的を述べる |
| 相違点を整理する | AとBの着目点の違いを述べる |
| 一本化について考えを述べる | 一本化するか、しないかなど、自分の判断を示す |
| 理由を述べる | なぜその判断になるかを説明する |
| 600字以内で答える | 以上の内容を指定の上限に収める |
この設問には「整理したうえで」という順序の指定があります。そのため、作例では比較を説明してから、自分の判断へ進みます。
自分の設問でも、答える項目に線を引き、必要な説明を短く書き出しましょう。ここで付ける条件番号は学習用です。本番答案へ同じ番号を書く必要がある、という意味ではありません。
資料が述べる内容と、そこから自分が考えたことを分けてメモしましょう。
なぜなら、その区別がないと、自分の意見を資料の主張として書いたり、引用しただけで理由を説明したつもりになったりするからです。
作例なら、次のように整理できます。
| 資料に書かれている内容 | 自分が考えたこと | 答案での役割 |
|---|---|---|
| A:更新した情報を広く、速く配信できる | スマホ配信の速さは生かしたい | 配信の利点を説明する |
| B:通信障害や端末未所持などで受信できない場合がある | 一本化すると、その人の受信手段がなくなる | 一本化に慎重な理由を説明する |
| B:複数の伝達手段を確保する必要がある | 別の手段でも同じ情報を伝えたい | 併用するという判断につなげる |
Aは、スマホ配信への一本化まで主張していません。「速く配信できる」と「全員が受信できる」も同じ意味ではありませんね。
また、防災無線や地域での声かけを併用するという方法は、この作例では自分が考えた具体化です。資料に書かれていた事実として紹介しないようにします。
知識を使うときも、まず資料の内容を確かめてください。「情報へのアクセス」「複数の手段を残す意義」などの知識は、根拠とのつながりを説明するために使います。
テーマごとの知識を何から学び、資料や答案へどう使うかは、SFC小論文の出題テーマと知識の使い方で具体例を確認できます。
教材選びは慶應SFC小論文の参考書9選、知識学習と答案練習の全体像はインプットとアウトプットの2本柱をご覧ください。



資料にないことを考えてはいけない、という意味ではありません。自分で補った考えは、その理由も説明しましょう。資料の説明なのか、自分の判断なのかを読み手が区別できることが大切です。
段落ごとの答え・根拠・役割を短く並べてから、文章にします。
なぜなら、書く前なら、条件の抜けや説明の順序を、答案全体を書き直さずに調整できるからです。
作例の構成メモは、次のように作れます。
| メモの位置 | 書く内容 | 使う根拠と条件 |
|---|---|---|
| 最初:比較 | 共通する目的は必要な情報を届けること。Aは配信の速さ、Bは受信条件を重視 | A・Bの共通点と相違点 |
| 次:判断と理由 | 一本化せず併用。速く送れても、受信できない人が残る | Bの通信障害・端末未所持など |
| 最後:具体化 | スマホ配信を使いつつ別の手段も残し、発信内容をそろえる | 自分が考えた方法と、その実施条件 |
三段落は、この設問に合わせた一案です。別の設問でも必ず三段落にする、という決まりではありません。
メモを作ったら、「相違点はどこか」「自分の判断と理由はどこか」と、条件表へ戻って指せるか確かめてください。





メモの時点で文章を完成させようとすると、書き始めるまでに時間を使います。「答え・根拠・説明順」が分かる短さで十分です。つながらない箇所だけ、何を補うか考えましょう。
メモの言葉を、関係が伝わる文へ変えましょう。
なぜなら、キーワードを並べただけでは、どの資料が何を支え、なぜその判断になるのかが伝わらないからです。
例えば、メモの「B:受信できない条件」は、答案では「通信障害でスマートフォンを利用できない人にとって、一本化は情報を得る入口を失うことにつながる」と説明できます。
ただし、メモができても、最初からすべて説明できるとは限りません。次の初稿は、比較と理由の説明に不足を残した例です。
資料AとBは、避難情報を人々に届ける方法を論じている。私は、スマートフォンへの配信だけにせず、ほかの手段も併用すべきだと考える。スマートフォンは便利だが、それだけに頼るのは不安だからだ。複数の方法を使えば安心して情報を得られる。したがって、スマートフォンへの一本化には反対する。
この初稿には、「ほかの手段も併用する」という判断があります。一方、AとBの相違点は説明できていません。「不安」「安心」という言葉も、どの条件に備えるかを示していないため、判断を支える理由として不十分です。
メモに書いた内容が、実際の文章でも説明できているかを確かめましょう。図を求められた場合は、後述する要素と関係を図にする方法へ進んでください。
実際に取り組む年度の問題を探すときは、慶應SFC小論文の過去問案内もご利用ください。
見直しでは、誤字だけでなく、条件・資料・根拠のつながりを確認します。
なぜなら、文が自然に読めても、設問の一部に答えていなかったり、理由が判断を支えていなかったりすることがあるからです。
作例の初稿を条件表と比べると、共通する目的と自分の判断はあります。しかし、相違点と判断の根拠には補うべき説明が残っています。
| 初稿の不足 | 変える箇所 | 直す理由 |
|---|---|---|
| A・Bの相違点がない | Aは配信の速さ、Bは受信条件を重視すると説明 | 設問で求められた比較に答えるため |
| 「不安だから」「安心」で止まる | 通信障害や端末未所持のときに何が起こるかを説明 | 併用を選ぶ理由を資料から支えるため |
| 併用という言葉だけで終わる | 別の手段の例と、同じ情報を伝える条件を補う | 自分の判断を具体的に説明するため |
資料AとBは、ともに必要な避難情報を人々へ届けることを目的としている。Aは、発信側が情報を速く更新し、同じ内容を広く配信できる点を重視する。一方、Bは、通信障害や端末を持たないことによって受信できない人が生じる点に着目している。
私は、スマートフォン配信の速さを生かしながら、ほかの伝達手段も併用すべきだと考える。速く配信できても、全員が受信できるとは限らないからである。通信障害でスマートフォンを利用できない人にとって、一本化は情報を得る入口を失うことにつながる。
そこで、スマートフォンで更新情報を知らせるとともに、防災無線や地域での声かけなど、別の方法でも同じ情報を伝える。発信内容をそろえ、更新があれば各手段へ反映することが必要である。配信の速さと受信の機会を両立させるため、一本化より複数の手段を組み合わせる方がよい。


修正前も修正後も、一本化せず併用する結論は同じです。変えたのは、比較と、結論を支える理由の説明です。これは特定の賛否を正解にする例ではありません。
次の表で、読んだ内容がメモを経て、答案のどの文になったかを追ってみてください。
| 資料・設問から読んだこと | メモの位置 | 修正稿の文 |
|---|---|---|
| Aの情報更新・配信の速さ | 最初:Aの着目点 | 第1段落の「Aは、発信側が情報を速く更新し〜」 |
| Bの受信できない条件 | 最初:Bの着目点/次:理由 | 第1段落の「一方、Bは〜」と、第2段落の「通信障害で〜」 |
| 一本化への自分の考えと理由 | 次:判断と理由 | 第2段落の「私は〜併用すべきだ」と「速く配信できても〜」 |
| 併用方法の具体化 | 最後:自分の方法と条件 | 第3段落の「防災無線や地域での声かけ」と「発信内容をそろえ〜」 |
書き直したら、「相違点を加えた」「受信条件から理由を説明した」と、何を、なぜ変えたかを短く残しましょう。単なる言い換えとの違いを自分で確かめられます。



結論を変えたかどうかだけで、改善を判断しないでください。同じ結論でも、資料から説明できるようになれば修正の意味があります。逆に結論を変えた場合も、どの根拠を考え直したのかを残しましょう。
添削を受けた後の進め方は、添削コメントを理解して答案を見直す手順で解説しています。
「自分では条件を満たしたつもりでも、不足が分からない」という方は、SFC特化コースで塾長に答案を見てもらうことをおすすめします。設問・資料・答案を照合する指導と、受講プランは、SFC特化コースの案内をご覧ください。


五つの手順を使いながら、要約・批評・提案・図示の要求に合わせて、答案の内容を変えましょう。
なぜなら、資料を整理する作業と、自分の評価や提案を述べる作業では、残すべき説明が異なるからです。
ここからは、公式設問と短い作例で、変える箇所を確認します。
要約は、対象の主張・理由・関係を指定範囲でまとめます。比較も求められたら、共通の軸で違いを示してください。
なぜなら、文章を順番に短くするだけでは、中心の主張や、設問が求める相違点が見えにくいからです。


この問1では、知識人の役割・あるべき姿・知識人への批判について、資料ごとの違いと特徴が分かる要約を求めています。
読むときは、それぞれの資料を「どのような役割を重視するか」「どの点を批判するか」という軸で整理できます。要約対象の説明を先に押さえ、自分の好き嫌いを混ぜないようにしましょう。
塾長・後川慶一が作成した練習問題にも、データから読める特徴と、自分の考察を分ける課題があります。ここでは、そのうち「資料2の特徴を100字以内で述べる」問題を取り上げます。
資料2は、2025年の地域別・男女別インターネット利用率です。男女差は、男性の利用率から女性の利用率を引いたポイント差を示しています。
| 地域 | 男性 | 女性 | 男女差 |
|---|---|---|---|
| 世界全体 | 77% | 71% | 6ポイント |
| アフリカ | 40% | 31% | 9ポイント |
| 米州 | 89% | 87% | 2ポイント |
| アラブ諸国 | 75% | 64% | 11ポイント |
| アジア太平洋 | 81% | 74% | 7ポイント |
| 欧州 | 93% | 92% | 1ポイント |
塾長作成の解答例
すべての地域で男性の利用率が女性を上回っている。男女差は欧州で1ポイント、米州で2ポイントと小さいが、アラブ諸国では11ポイント、アフリカでは9ポイントと大きく、地域によって格差の程度が異なる。
この解答例は、まず掲載地域に共通する男女の大小関係を述べ、次に差が小さい地域と大きい地域を比べています。数字を全部写すのではなく、全体の特徴を説明する数字を選んでいるのがポイントです。
一方、「なぜ地域で差が生まれるか」は、この表だけで確定できません。背景を考察する設問なら、所得・通信環境などの知識を使って説明し、データから直接読める事実と区別します。
自分の答案でも、「何が読み取れるか」と「なぜだと考えるか」を分けて書いてみてください。
実際の過去問で比べ方を確認するなら、総合政策2026年度問1の比較要約と解答例をご覧ください。
一つの原文と三つの要約を照合する実例は、環境情報2025年度の三つの要約を比べる解説で確認できます。
批評では、対象の何を、どの理由から評価するのかを説明しましょう。
なぜなら、賛成・反対だけを述べたり、内容を要約したりするだけでは、その主張の良い点や限界を評価したことにならないからです。


この問2は、未来社会で人間がどう生きるべきかを論じる中で、資料5の未来社会を批評し、自分の考える未来社会の特性にも言及する要求です。注記には、良い点の評価と限界の指摘、理由や根拠を示した評価について説明があります。
この条件を実際の答案へつなげる過程は、総合政策2025年度問2の解答例と資料の読み方で確認できます。
批評の作業を考えるため、次の短い仮の主張を見てください。これは先ほどの資料Aの記述ではありません。
情報を速く配信できれば、全員が受信できる。
速く伝えられる点は評価できます。しかし、速く配信することだけでは、通信障害や端末未所持などの条件は解消しません。「全員が受信できる」という結論には、受信条件の検討が不足しています。
このように、効用と限界を分け、根拠を添えて評価するのが批評の練習になります。自分の未来社会について述べるよう求められたら、その説明も続けます。すべての批評問題に政策提案を付ける、という意味ではありません。



「この考えは間違っている」で止めず、どの説明が足りないのかを指してみてください。対象の内容を正しく捉えることと、自分の評価を説明することを、別々に確かめましょう。
自分の答えを根拠から説明し、提案を求められた場合は、対象・方法・実施条件まで具体化しましょう。
なぜなら、答えの言い切りだけでは根拠とのつながりが伝わらず、提案の名前だけでは実現の方法や条件を確かめられないからです。
環境情報2026年度問2では、⑴で問題の所在や本質を分析し、⑵で具体的な解決策と、自分が実現にどう貢献するかを答えます。冒頭の学部長メッセージを踏まえ、問1の文章にも触れる条件があります。
防災情報の作例であれば、「情報を届きやすくする」だけでは方法が見えません。「スマホ配信に加え、別の伝達手段を使う」「各手段で更新内容をそろえる」と書くと、自分の考えを具体的に説明できます。
ただし、具体的な案を書いたことと、資料から確かめた事実は分けてください。なぜその方法が必要か、成り立つ条件は何かを、根拠とともに確認しましょう。
資料の重要な要素を取り出し、関係が分かる配置とラベルで図にします。
なぜなら、図形や絵を並べても、元の文章のどの内容をどう表したかが分からなければ、資料の説明にならないからです。


この設問では、A〜Eから3文章を選び、それぞれの内容を図で表します。選んだ文章の記号を示し、人間や生物、環境、情報といった要素の相互作用を意識する条件です。必要な文字を図に含めることも認められています。
先ほどの資料Aなら、「発信側が情報を更新する」「同じ更新内容を広く配信する」「受信した人が端末で確認する」という関係を取り出せます。


この図は、資料Aの内容を示す当塾の説明例です。資料Bの通信障害を途中に足したり、「全員が必ず受信する」という意味に変えたりしないようにします。
図にする前後で、次を照合しましょう。



図の線を指しながら「これは何と何の、どんな関係か」を言葉で説明してみてください。うまく言えない線は、意味が曖昧なまま結んでいるかもしれません。
実際の過去問で要素と線を確かめたい方は、2026年度環境情報の実資料を使った3つの図示例をご覧ください。


書き出し・段落・理由を、それぞれの役割から見直しましょう。
なぜなら、言葉を難しくしたり接続詞を増やしたりするだけでは、問いとのずれや論理の抜けを直せないからです。
ここでは、防災情報の作例の短い部分を使って、修正の着眼点を確認します。
最初の一文が、設問で求められた説明へ入っているかを確かめてください。
なぜなら、広い時代背景や決まり文句から始めると、字数を使っても必要な答えが進まないことがあるからです。
作例では、次のように考えられます。
| 書き出し | 確認すること |
|---|---|
| 現代社会では情報化が進んでいる。 | 一般論であり、資料の比較へまだ入っていない |
| 資料AとBは、ともに必要な避難情報を人々へ届けることを目的としている。 | 共通点を整理する作業から始めている |
この仮題には「共通点と相違点を整理したうえで」という指示があります。そのため比較から始めました。
一方、比較を求めず一本化への意見だけを問う設問なら、「私は、スマートフォン配信にほかの手段を併用すべきだと考える」と判断から入る構成も選べます。設問が変われば書き出しも変わると考えてください。
一段落で何を伝えるかを決め、前後の文がその説明を支えるようにします。
なぜなら、資料の説明と自分の判断が切り替わる箇所を示さないと、読み手が誰の考えかを追いにくくなるからです。
例えば、「Aは速く配信できると述べる。私は併用すべきだ。Bは受信できない条件を挙げる」と並べると、比較と自分の判断が行き来します。
まずAとBの違いを整理し、次の段落で「私は〜」と判断へ移ると、段落ごとの役割を分けられます。作例なら、比較/判断と理由/具体化というメモに戻って確認できます。
接続詞も、前後の関係に合わせます。AとBの着目点の違いなら「一方」、受信できない条件を踏まえた判断なら「そのため」など、何をつなぐかを先に考えましょう。
段落数や接続詞の数をそろえること自体が目的ではありません。自分の段落に短い役割名を付けてみてください。
理由を読んで「それで、なぜこの結論になるのか」が分かるところまで説明します。
なぜなら、理由らしい言葉があっても、結論を支える条件や途中の説明が抜けている場合があるからです。
初稿の「複数の方法を使えば安心」という文は、安心できる理由を示していません。次のように、何に備えるのかを補います。
通信障害でスマートフォンを利用できない人にとって、一本化は情報を得る入口を失うことにつながる。
この説明が入ると、「一本化せず別の手段も残す」という判断を、資料Bの条件から支えられます。
見直すときは、書けない原因も分けてください。
どれも「知識をもっと覚える」だけでは解決しません。不足を特定してから直し、次の問題でも同じ確認を行いましょう。



専門語を足す前に、その語がどの理由を説明しているかを確かめてください。自分の言葉で根拠と結論をつなげられなければ、用語を増やしても説明の抜けは残ります。


「自分の答案が設問に答えているか分からない」「どこをどう直すか判断できない」という方は、当塾へ直接ご相談ください。
なぜなら、自分では説明したつもりでも、資料の読み取りや根拠のつながりの不足には、書いた本人だけでは気付きにくいことがあるからです。
SFC特化コースでは、講義で知識と考え方を学び、自分で答案を書き、塾長の添削を踏まえて不足を補い、自分の答案を確認し直します。学ぶことと書くことを往復しながら、今の課題に必要な練習へつなげます。
講義で学んだ知識と考え方を、自分の答案で使って確かめましょう。
なぜなら、用語を知ることと、設問に合わせて根拠を説明できることは、同じではないからです。
当塾では、65本の講義動画を用意しています。小論文の基本、SFCの過去問対策、本質理解、アイデア創出などを学び、資料の読み解き方や論点の見つけ方を答案へつなげていきます。
例えば、資料の主張と自分の解釈を混ぜてしまうなら、読み取りを確認します。知識はあるのに理由を説明できないなら、主張と根拠の組み立てを学び直します。
インプットは、次の三つに分けて考えられます。
全部を覚え終わるまで書くのを待つ必要はありません。学んで書き、添削で指摘された部分を補って、自分の答案を確認し直します。その上で、新たに得た視点を次の答案に活かしていきます。


身近なテーマから過去問へ進む学習全体は、慶應SFC小論文の具体的な対策方法4つで解説しています。現在できている作業に合わせて、必要な段階から取り組んでください。
SFCを理解する塾長・後川慶一の直接添削で、答案の課題と直す理由を確かめましょう。
なぜなら、指摘された箇所だけでなく、その理由を理解することで、自分の答案を確認し直し、次の答案でも同じ観点を使いやすくなるからです。
塾長は、答案の文章だけを読むのではなく、設問・資料との対応を見ます。例えば、次のような点を具体的に確かめます。
例えば、今回の初稿なら「理由を詳しく」とだけ受け取っても、何を足すか迷います。「どの受信条件に備えるための併用なのか」という課題が分かれば、資料Bへ戻り、判断につながる説明を補えます。
このように、どこを、どう直し、なぜそう直すのかを理解することが、添削を次の練習へ使うポイントです。



相談するときは、「比較の軸を決められない」「資料の説明から自分の判断へ移るところで止まる」など、迷った作業も教えてください。答案と照らし合わせ、次にどこを直すかを一緒に確認しましょう。
添削回数や、学習相談・個別オンライン授業の内容はプランによって異なります。スタンダード以上では、1on1で勉強方法や進度、課題について相談できます。
例えば、「構成メモは作れるのに文章へ展開できない」という場合は、考えた順序を説明しながら、どこで説明が飛ぶのかを相談できます。講義と添削を中心に進めたい方も、個別の相談を使いたい方も、現在の課題と各プランの指導範囲を照らし合わせて選んでください。
講義内容・添削・各プランの個別指導は、SFC特化コース特設ページで確認できます。指導を担当する塾長については、後川慶一の経歴と指導方針をご覧ください。
答案の書き方と今後の練習については、無料説明会で塾長に相談することもできます。高校生・浪人生だけでなく、保護者の方もコース内容をご確認ください。




設問の条件と根拠を構成メモで結び、文章や図で答え、書いた後に照合しましょう。
なぜなら、型を覚えるだけでは、その設問が求める説明を実際に書けるかどうかは確かめられないからです。
まずは手元の一問で、条件表と構成メモを作ってみてください。日々の予定へ入れる方法は、慶應SFC小論文の週間計画で確認できます。
自分の答案をどう評価し、どこから直すか迷う場合は、当塾へご相談ください。SFC専用の講義と塾長の直接添削を使い、必要な知識を学び直すことと、答案の改善をつなげていきましょう。
講義内容と添削・個別指導の範囲は、SFC特化コースの受講プランをご覧ください。
湘南藤沢小論文アカデミーSFC特化コース
「読む力」を、「書く力」に変える。
慶應SFC卒、指導歴20年の塾長がパーソナル指導で受験まで伴走します。
塾長・後川慶一が直接担当
学び方から、答案の改善まで。

