受験生「人間とは何か」に何を書けばよいのか迷います。問1・問2の内容を、問3のSFCでの過ごし方へどうつなげればよいですか?
2025年度の慶應SFC総合政策学部小論文は、問1の人間観と問2の未来社会観を整理し、問3のSFCでの過ごし方へ結び付けて考えます。
なぜなら、問3では、前の2問の回答を踏まえて論じるよう指定されているからです。
この記事では、3問の条件と資料を確認し、構成メモ・当塾作成の解答例・各文の解説を対応させます。まずは大学公式の2025年度総合政策学部小論文問題を開いてみてください。
この記事の要点
- 設問条件:必須条件と任意資料を分ける。
- 根拠と答案:資料の記述・自分の仮定・判断を分ける。
- 3問の関係:問1・問2を踏まえて問3の学び方を考える。
動画でも解説しています。塾長・後川慶一が、2025年度総合政策学部小論文の問1〜問3の考え方を解説します。
文章で確認したい方は、このまま記事を読み進めてください。
慶應SFC総合政策2025年度小論文の問題と3問のつながり


先に各問の条件を確かめ、問1・問2から問3へ引き継ぐ考えを整理しましょう。
なぜなら、問3で何を学ぶかだけを先に決めると、その過ごし方が前の2問のどんな考えに基づくのか、説明が抜けやすくなるからです。
| 設問 | 求められる内容 | 必須・任意の資料や関係 |
|---|---|---|
| 問1 | 人間の多義性・多面性に言及し、複数人物の思想と自分が目指す人間像を論じる | 人物は紹介してから思想へ言及。資料1〜4は任意 |
| 問2 | 資料5を理由付きで批評し、自分の未来社会像と先導者の立場からの生き方を論じる | 資料5が批評対象。資料6・7は任意 |
| 問3 | 未来社会の先導者を目指す学生が、SFCでどう過ごすべきかを論じる | 問1・問2を踏まえる。自分に似た学生へ限定可。実現可能性を考慮しなくてもよい |


問1と問2を踏まえることが明記されているのは問3です。本記事では一つの考えをつなげて例を示しますが、問2でも問1と同じ人物や題材を使う、という条件は付けません。
解答例は、仮の受験生の考え方を設定して当塾編集部が作成したものです。大学公式の解答例や、唯一の正解・合格を保証する答案ではありません。
表示する字数は掲載例そのものの文字数です。演習では、2025年度の問題と解答用紙の指示・欄を優先してください。
用紙の準備は小論文の解答用紙の入手・準備方法へ。他年度は総合政策学部の5年分の過去問一覧から選べます。



答えを読む前に、設問で「必ず答えること」と「必要なら使う資料」を分けて印を付けてみましょう。何を満たすためにその一文があるのか、解答例も追いやすくなります。
慶應SFC総合政策2025年度問1の解答例と解説


問1では、複数の人物の思想に触れながら人間を論じ、自分が生涯をかけて目指す姿を示します。
人物の考えを紹介した後、その思想から人間をどう捉え、自分はどう生きたいと考えるのかまでつなげてみましょう。
問1の条件を多義性・多面性・人物・目指す姿に分ける
大学公式の問1と注記


多義性は「言葉の意味や定義の複数性」、多面性は「対象の側面の複数性」です。似て見えますが、分けて考えると何を書くかが整理できます。
- 多義性:生物として人間を区別する意味と、倫理的な主体として人間を捉える意味など、定義の違いを考える。
- 多面性:同じ人間にも、欲望や不安に動かされる面と、自分の行いを省みる面があると考える。
- 人物と思想:複数の人物について、人物の紹介と、その思想の内容を述べる。
- 目指す姿:自分に与えられた生の時間を費やし、どんな人間になりたいかを述べる。
上の定義や側面の例は、当塾による説明です。注3の福澤諭吉・加藤寛は人物紹介の書き方の例で、指定人物ではありません。
資料1〜4をすべて使う必要もありません。まず自分のメモに、二つの概念・人物の思想・目指す姿をどこで説明するか書き込んでください。
資料2・3の思想を比べ構成メモへ置く
この作成例では資料2・3を読み、二人の主張の違いを人間観を考える材料にします。
なぜなら、人物名と要約を並べるだけでは、その思想が自分の人間観とどう関わるのか伝わらないからです。
大学公式PDFでは、資料1の本文が著作権の都合で省略されています。本例は資料2・3を根拠に組み立てています。
| 人物・資料 | 原文の内容(要約) | 例への使い方(当塾の解釈) |
|---|---|---|
| 資料2スマナサーラ | 考えれば賢くなるという通念を疑う。期待・怒り・後悔などが思考を満たし、智慧を受け入れる余地がなくなると論じる | 自分の反応や思い込みにとらわれる人間の側面を考える |
| 資料3アウレーリウス | 生や名声の不確かさを述べ、哲学を心や行為を保つ拠り所にする | 自分の行いを整えようとする人間の側面を考える |
資料2の思考への批判と、資料3の哲学の役割は、同じ主張ではありません。二人を「どちらも考えることをすすめている」とまとめず、違いを残します。
その上で、思い込みを認め、根拠や他者の事情を確かめて行動を選ぶ、という人間像を考えます。これは二人の主張をそのまま引用したものではなく、当塾例で選ぶ判断です。
| メモの役割 | 置く内容 | 掲載例の位置 |
|---|---|---|
| A人間の捉え方 | 定義の違いと、思考にとらわれる面・行いを整える面 | 第1段落 |
| B人物の思想 | 二人の紹介・主張と、着眼点の違い | 第2・3段落 |
| C目指す人間像 | 自分の思い込みを認め、判断の理由を点検する姿 | 第4段落 |
A〜Cは内容の役割を示す記号で、三段落に固定する型ではありません。自分の答案でも、思想の紹介を何の説明に使うかまでメモに添えましょう。
問1の当塾作成答案例を読む
以下は、二人の思想を比較して、自分が目指す人間像へつなげた当塾編集部作成例です。
当塾編集部作成例・512字(掲載例の実字数)
「人間」は、生物の種を示す語でも、何を大切にして生きる存在かを問う語でもある。私は人間を、欲望や不安に揺れながらも、自分の判断を問い直し、行いを選び直せる存在と捉える。人間の多面性は、思考がその人を混乱させる面と、考えを整える営みが生を支える面の両方に表れる。
宗教者スマナサーラは、考えるほど賢くなるという通念を疑い、期待や怒り、後悔などに満ちた思考が人を苦しめると論じる。この見方からは、人間は考えの内容を確かめないまま、自分の反応にとらわれる存在だと考えられる。
一方、『自省録』を残したアウレーリウスは、人生や名声の不確かさを述べながら、哲学を自分の心や行為を保つ拠り所にする。思考の混乱を問題にする前者と、哲学によって生を整える後者とでは、考える営みへの着眼点が異なる。両者を踏まえると、ただ考えを重ねるのでなく、何に動かされて判断しているかを省みることが重要だ。
私は、生涯を通じて自分の思い込みを認め、根拠と他者の事情を確かめながら行動を選ぶ人間を目指したい。自分では善いと思う判断も、別の立場の人には不利益をもたらす可能性があるからだ。異なる意見を退けずに判断の理由を点検し、必要なら行動を改める姿を追い続けたい。
思想を比べる順序や段落数は一例です。読んだ後は、人物の思想の説明から、自分の判断へ切り替わった箇所を確かめてください。
答案の各文と資料・条件を照合する
答案の各文を、設問の条件・資料の内容・自分の判断に分けて読むと、説明の役割を確認できます。
なぜなら、文章が自然につながっていても、資料の要約と自分の主張が混ざったり、必須の条件が抜けたりすることがあるからです。
| 文(冒頭) | 原典・区分 | 答案で担う役割 |
|---|---|---|
| 文1「「人間」は、生物の種を示す語でも、…」 | 問1注1/当塾の定義整理 | 語の意味が、生物の分類と生き方を問う文脈で異なることを示します。 |
| 文2「私は人間を、欲望や不安に揺れながら…」 | 問1本文/当塾例の人間観 | 人間をどう捉えるかという自分の答えを置きます。 |
| 文3「人間の多面性は、思考がその人を混乱…」 | 問1注2/資料2・3/当塾の比較解釈 | 同じ人間の中にある異なる側面を示し、後の思想紹介につなぎます。 |
| 文4「宗教者スマナサーラは、考えるほど賢…」 | 資料2・冊子6ページ/資料の要約 | 人物を紹介して、思考と賢明さを同一視しない主張を説明します。 |
| 文5「この見方からは、人間は考えの内容を…」 | 資料2を踏まえる/当塾の解釈 | その思想から読み取る人間の側面を、自分の言葉で説明します。 |
| 文6「一方、『自省録』を残したアウレーリ…」 | 資料3・冊子7ページ/資料の要約 | 著作を添えて人物を紹介し、有限な生と哲学の役割を示します。 |
| 文7「思考の混乱を問題にする前者と、哲学…」 | 資料2・3の比較/当塾の解釈 | 両者を同じ主張にせず、思考への着眼点の違いを説明します。 |
| 文8「両者を踏まえると、ただ考えを重ねる…」 | 前の2思想を受ける/当塾例の判断 | 比較した内容から、自分が重視する姿勢を導きます。 |
| 文9「私は、生涯を通じて自分の思い込みを…」 | 問1の目指す姿の条件/当塾例の人間像 | 生涯をかけて目指す人間の在り様を明示します。 |
| 文10「自分では善いと思う判断も、別の立場…」 | 前文の人間像を支える/当塾例の理由 | 自分の判断だけを絶対視しない理由を示します。 |
| 文11「異なる意見を退けずに判断の理由を点…」 | 問1の目指す姿を具体化/当塾例の行動 | 人間像を、理由の点検と行動の修正という振る舞いにします。 |
自分の答案でも、複数人物の思想を説明した文と、目指す人間像を述べた文を指してみましょう。根拠をメモへ置く基本は答える順番を構成メモにする方法でも確認できます。
別の人間観で答えるときの条件を確かめる
人間観や選ぶ人物が掲載例と異なっても、設問の条件に沿って説明できるかを確かめましょう。
なぜなら、問1は特定の人物や一つの人間定義だけを答えとして指定していないからです。
例えば資料4の戯曲を使うなら、どの作品の誰の言葉かを踏まえて論じます。登場人物の台詞を、そのまま作者が一貫して主張する思想と断定しないことも大切です。
- 人物を紹介し、その思想の内容まで説明しているか。
- 多義性と多面性のどこに触れたかを指せるか。
- 自分が生涯をかけて目指す人間像を述べているか。



人物名を隠して読んでも、どんな考えを取り上げたか伝わるでしょうか。名前だけで知識を示そうとせず、その考えを選んだ理由が自分の人間観につながっているか見てみましょう。
慶應SFC総合政策2025年度問2の解答例と解説


問2は、資料5を理由付きで評価し、自分の未来社会像と、その社会での生き方を論じる問題です。
資料の説明を繰り返すだけでなく、何を評価し、どこに説明を補う必要があると考えるのかを決めていきましょう。
資料5の長所と限界を理由付きで評価する
大学公式の問2と批評の条件


批評では、評価する記述と、その評価を支える理由を一組にします。
なぜなら、良い・悪いという感想だけでは、資料5のどんな内容を、どのような根拠で評価したのか伝わらないからです。
資料5は、AIや仮想現実などによる変化を述べるだけでなく、公平な参加、倫理、プライバシー、安全にも触れています。「リスクを一切考えていない」という批判では、原文を取り落とします。
本例では、幅広い技術と社会の変化を捉える点を評価し、教育の便益を誰がどんな条件で受け取れるのか、という説明に着目します。


まず資料5の評価対象に印を付け、その記述の長所・限界と理由をメモしてみてください。
自分の未来社会像と資料の記述を分けて構成メモにする
資料の記述と、自分が置く未来の条件を分けて構成メモにしましょう。
なぜなら、資料の内容を並べるだけでは、自分はどんな未来社会を想定し、なぜその生き方を選ぶのか説明したことにならないからです。
| 原資料の記述 | 当塾例の評価・仮定 | 構成メモの役割 |
|---|---|---|
| 資料5:技術と社会の変化、公平な参加・倫理等にも言及 | 長所を認めた上で、教育の便益へ参加する条件の説明を評価する | D批評 |
| 資料7テーマ4:過去の国際的な所得分布の平等化と国内格差の拡大を整理し、将来の課題にも挙げる | 教育AIを使う費用・端末・相談相手に差がある場合を仮定する。資料7がその教育上の差を実証したのではない | E未来社会像 |
| 問2:未来社会の先導者となる自分の立場から論じる | 出力を検証する・利用しにくい人の事情を聞く・参加方法を検討する | F生き方 |
資料7は教育AIの利用差を直接予測した文章ではありません。資料7の指摘を手掛かりに、教育の利用条件へ目を向けるのは本例の判断です。
資料6・7は任意なので、両方を使うために話を広げる必要はありません。本例では資料7を補助に選び、資料6の全シナリオを列挙しません。
自分のメモでも、原文の記述、自分が加える仮定、考える社会の特性、その社会での行動を分けてみましょう。
問2の当塾作成答案例を読む
以下は、教育の便益に参加する条件に着目した当塾編集部作成例です。
費用や端末、相談相手の違いは、この答案で置く仮定です。実際の受講生の経験や、将来必ず起きる事実として示すものではありません。
当塾編集部作成例・511字(掲載例の実字数)
資料5は、AIなどの技術と社会の相互作用により、教育や働き方を含む生活が変わる未来を描いている。技術だけでなく、公平な参加や倫理上の課題にも触れている点は評価できる。しかし、技術が普及することから、人々がその便益に参加できることへ移る説明は十分ではない。
例えば、教育の変化を考えると、学習を支える仕組みがあっても、費用や端末、使い方を相談できる人の有無によって、参加の条件は異なりうる。したがって、技術の普及と利用条件の整備を分けて考える必要がある。
資料7は、国の間で所得格差が縮小する一方、各国内の格差は拡大したと述べ、不平等を将来の課題にも挙げている。この指摘を手掛かりに、私は、教育にAIが広がっても、利用できる資源や支援の差が残りうる未来社会を想定する。国内格差が必ず教育格差になると断定はできないが、技術の便益が自動的に均等に届くとは考えない。
その社会の先導者を目指す私は、AIの出力をそのまま正しいとせず、根拠を確かめ、利用しにくい人の事情を聞いて判断したい。また、対面の相談など複数の参加方法を、当事者と共に検討する。学んだことを社会で実際の行動へつなぎ、相手の反応を受けて方法を改めていく姿勢を大切にする。
批評の後に未来社会像を置き、その社会での具体的な振る舞いを述べています。最後の行動が、前半で考えた参加条件の違いに対応しているかを見てください。
批評・未来像・生き方を文ごとに確かめる
資料の記述・その評価・未来の仮定・自分の行動を分けると、根拠の飛躍を点検できます。
なぜなら、資料の予測を確定した未来へ置き換えると、そこから導いた生き方の理由まで変わってしまうからです。
| 文(冒頭) | 原典・区分 | 答案で担う役割 |
|---|---|---|
| 文1「資料5は、AIなどの技術と社会の相…」 | 資料5・冊子9ページ/資料の要約 | 技術と社会が関わりながら変わる、という評価対象を押さえます。 |
| 文2「技術だけでなく、公平な参加や倫理上…」 | 資料5の公平な参加・倫理等/当塾例の評価 | 原文にある長所を認め、一方的な否定にしません。 |
| 文3「しかし、技術が普及することから、人…」 | 資料5への批評/当塾例の評価 | 普及と便益への参加の間に、どんな説明が必要かを問います。 |
| 文4「例えば、教育の変化を考えると、学習…」 | 教育の変化を具体化/当塾例の仮定 | 費用・端末・相談相手という条件を置きます。資料5や7の実証結果ではありません。 |
| 文5「したがって、技術の普及と利用条件の…」 | 前文の仮定から考える/当塾例の判断 | 技術の有無と、その便益を使える条件を分けます。 |
| 文6「資料7は、国の間で所得格差が縮小す…」 | 資料7テーマ4・冊子11ページ/資料の記述の要約 | 過去の国際的な所得分布と国内格差の傾向、将来の課題を区別して示します。教育AIの利用差の予測ではありません。 |
| 文7「この指摘を手掛かりに、私は、教育に…」 | 資料7の指摘を手掛かりに想定/当塾例の未来社会像 | 資料の指摘と自分が加える仮定を分け、自分が想定する社会の特性を述べます。 |
| 文8「国内格差が必ず教育格差になると断定…」 | 資料記述と仮定の区別/当塾例の判断 | 国内格差と教育上の利用差を同一視せず、想定の範囲を限定します。 |
| 文9「その社会の先導者を目指す私は、AI…」 | 問2の先導者の立場/当塾例の生き方 | 想定した社会で、根拠確認と当事者への聞き取りをどう行うか示します。 |
| 文10「また、対面の相談など複数の参加方法…」 | 前文の参加条件への対応/当塾例の行動 | 技術を使いにくい人も考慮し、参加方法を複数にします。 |
| 文11「学んだことを社会で実際の行動へつな…」 | 資料8を踏まえる/当塾例の生き方 | 学びを行動へつなげ、相手の反応から方法を改める姿勢を示します。原文の逐語引用ではありません。 |
資料8の「慶應義塾の目的」は、学びを言葉だけで終えず、行動へつなげる視点の補助にしています。本文の最後は当塾例の生き方であり、資料8の文章をそのまま引用したものではありません。
自分の答案でも、断定している一文を選び、資料の記述なのか、自分の仮定なのかを確かめてみてください。
一方的なAI否定や予測の断定を避ける
別の未来社会像でも、資料5への批評と、自分の生き方の関係を説明することが大切です。
なぜなら、資料5を絶対の未来とすることも、一方的に否定することも、問2の答え方として指定されていないからです。
例えば国際協力を重視するなら、協力が成り立つ条件を考え、その社会で自分がどう関わるかを述べます。資料6には協力と分断の異なる可能性があるため、すべて同じ協調的未来だとまとめないようにしましょう。
- 資料5のどの記述を評価し、その理由を何としたか。
- 自分の未来社会像は、資料の予測と区別できているか。
- 先導者を目指す自分が、何を確かめ、誰と関わり、どう行動するか。



批評した文の横に、「資料5のどの記述について、何が十分・不十分なのか」を書き添えてみましょう。否定語を強くするより、評価対象と理由をはっきりさせる方が、次に補う説明を見つけやすくなります。
同じAIという題材でも設問の作業は異なります。テーマの知識を設問に合わせる方法も参考にしてください。
慶應SFC総合政策2025年度問3の解答例と解説


問3では、前2問の考えを理由にして、SFCで何を学び、どのように時間を使うかを示します。
学問分野や活動名を並べるだけでなく、それを選ぶ理由を問1・問2へ戻って説明していきましょう。
問1・問2からSFCで学ぶ目的を引き継ぐ
大学公式の問3と前2問への参照


学びたい内容の横に、問1・問2のどんな考えから選んだのかを書きましょう。
なぜなら、活動名だけでは、その過ごし方が目指す人間像や未来社会の条件にどう必要なのか伝わらないからです。
| 前の2問で述べたこと | 必要と考える学び・経験 | 問3への置き方 |
|---|---|---|
| 思い込みを省みて判断を選び直す人間像 | 異なる立場の人の事情を聞き、自分の想定と比べる | 聞き取りと振り返り |
| 教育AIの普及後も参加条件の差が残りうる未来 | 技術の仕組み・限界、教育政策や倫理を学ぶ | 出力の検証と参加条件の検討 |
| 複数の参加方法を当事者と考える生き方 | 仲間と支援案を試作し、使いやすさを確かめる | 試作・対話・議論・見直しに時間を使う |
このように前2問を受けることで、学びたい分野の羅列から、その学びを選ぶ理由がある計画へ進めます。自分のメモでも、活動を一つずつ前2問へ結び付けてください。
問3の当塾作成答案例を読む
以下は、前2問の考えを受けた仮の学生の過ごし方を示す、当塾編集部作成例です。
当塾編集部作成例・257字(掲載例の実字数)
私は、思い込みを省みて判断を選び直す人間を目指し、教育AIが広がっても参加条件の差が残りうる未来に備えたい。
SFCでは、AIの仕組みと限界に加え、教育政策や倫理を学び、出力を検証する視点と、誰が利用しにくいかを考える視点を養う。授業で学ぶだけでなく、利用者や使うことに困難を感じる人に話を聞き、自分の想定との違いを記録する。
その知見から、対面相談も組み合わせた学習支援を仲間と試作し、参加しやすさを当事者と確かめたい。結果を仲間と議論して方法を見直す時間を重ね、技術を使う力と他者と判断をつくる姿勢を身につけたい。
実在する受講生や塾長の体験談ではありません。個別の授業名や履修を保証する案内でもなく、設問に対して考えた過ごし方の例です。
学ぶ内容と活動を前の2問へ対応させる
問3の活動ごとに、前2問から選んだ理由をたどってみましょう。
なぜなら、活動の内容が具体的でも、問1・問2との関係が説明されていなければ、前の回答を踏まえたことが伝わらないからです。
| 文(冒頭) | 原典・区分 | 答案で担う役割 |
|---|---|---|
| 文1「私は、思い込みを省みて判断を選び直…」 | 問1文9/問2文7/前2問との接続 | 目指す人間像と未来社会の想定を受け、学ぶ目的を示します。 |
| 文2「SFCでは、AIの仕組みと限界に加…」 | 問2文9の根拠確認/文4の参加条件/当塾例の学び方 | 出力を確かめるための技術理解と、利用条件を考えるための政策・倫理を選びます。 |
| 文3「授業で学ぶだけでなく、利用者や使う…」 | 問1文9・11/問2文9/当塾例の過ごし方 | 自分の想定を問い直すために、異なる立場への聞き取りを選びます。 |
| 文4「その知見から、対面相談も組み合わせ…」 | 問2文10/当塾例の過ごし方 | 複数の参加方法という考えを、仲間との試作・当事者との確認へ具体化します。 |
| 文5「結果を仲間と議論して方法を見直す時…」 | 問1文11/問2文11/当塾例の過ごし方 | 活動を一度で終えず、議論と見直しを重ねる時間として示します。 |
例えば、技術を学ぶのは出力を確かめるため、当事者へ話を聞くのは参加条件の違いを捉えるためです。活動と、その活動を選ぶ理由を一組で説明できるかを確認してください。
理想の過ごし方と設問条件を確かめる
問3は、自分自身や自分に似た学生に限定して考えてかまいません。
原問題では、実際にできるかどうかを考慮せず、こう過ごすべきだという主張でもよいとされています。実現可能性の証明や実在の研究会名を、独自に必須条件へ加えないようにしましょう。
一方で、理想の計画でも選ぶ理由は必要です。現実の細かな手続きより先に、人間観・未来社会観と、その過ごし方の関係を確かめてください。



問3だけを読んで、問1のどんな人間像、問2のどんな未来が理由になっているか分かるでしょうか。つながりが見えない活動は、別の名前へ替える前に、なぜ必要かを一文でメモしてみましょう。
慶應SFC総合政策2025年度の答案を確認するポイント3つ


自分の答案は、条件・資料の扱い・前2問とのつながりの3点で確認しましょう。
なぜなら、表現が自然でも、設問に答える記述や根拠の説明がそろっているとは限らないからです。
以下は当塾の学習上の確認観点です。大学公式の配点表や減点表ではありません。
公表されている内容は大学公式の評価情報で整理しています。
①:設問の条件漏れを確かめる
必須条件を満たした文を、自分の答案から指してみましょう。
なぜなら、内容を詳しく書いていても、指定された作業が欠けていれば、その部分の問いに答えたことにはならないからです。
- 問1:多義性・多面性、人物の紹介と思想、自分が目指す姿に触れたか。
- 問2:資料5の評価に理由があり、自分の未来社会像と生き方を述べたか。
- 問3:前2問の考えから、SFCでの過ごし方を選ぶ理由が読み取れるか。
文が見つからない条件は、どこへ何を補うかメモしてください。まずは条件の抜けを具体的にします。
②:資料の読み違いと根拠・説明の不足を分ける
直す原因を、読み違い・根拠の扱い・論理や説明の不足に分けましょう。
なぜなら、知識を増やすだけでは、資料の読み違いや根拠から結論へ飛んだ説明までは直らないからです。
- 読み違い:資料5の倫理や安全への言及を落としたなら、該当箇所へ戻る。
- 根拠と仮定の混同:資料7が教育AI格差を実証したように書いたなら、原文の記述と自分の仮定を分ける。
- 説明不足:参加条件の違いから、なぜ対話や検証が必要になるかを書いていないなら、その理由を補う。
必要なテーマ知識を補うことと、答案の説明を点検することを往復します。学習全体はインプットとアウトプットを往復する学び方も参考にしてください。
③:人間観・未来像・学び方のつながりを確かめる
問3の学び方を前2問へ照合し、今回得た視点を次の答案で使いましょう。
なぜなら、つながりを説明できない箇所が分かれば、何を補い、次の問題で何を確かめるかを具体的にできるからです。
添削で指摘された部分を補って、自分の答案を確認し直します。その上で、新たに得た視点を次の答案に活かしていきます。
例えば、今回は資料の記述と自分の仮定を混同したなら、「原文が言っていることと、自分が置く条件を分ける」と一行で残します。次の問題では、その区別ができた文を確認してみましょう。
必要な部分を補い確認することと、同じ答案を最初から全文書き直すことは別です。全員に答案全体の再執筆を求めるわけではありません。



次の演習へ持ち越す確認事項は、一度に増やしすぎないようにしましょう。「資料の記述と自分の仮定を分ける」など一つに絞り、次の答案のどの文で使えたか確かめてください。
例を読んでも、自分の答案が条件を満たすか判断しにくいときは、当塾へご相談ください。設問・資料と書いた文を照合し、次に確かめる点を整理できます。
慶應SFC総合政策の答案に迷ったら当塾へご相談ください


自分の答案と解答例の違いを評価できずに迷う方は、当塾へ直接ご相談ください。
なぜなら、塾長が設問・資料・あなたの答案を照合し、どの条件や理由の説明が足りないかを、具体的な文とともに伝える指導を受けられるからです。
当塾のSFC特化コースでは、65本の講義動画で小論文の基本、SFCの過去問対策、本質理解、アイデア創出を学べます。資料を読む着眼点や論点・根拠の選び方を、答案を書く練習へつなげていきます。
例えば、問1で思想の意味を説明できなければ、その理解に必要な知識を補います。理解はできても目指す人間像とつながらなければ、考えを答案へ展開する方法を学びます。
塾長が答案で確認すること
- 問1:人物の思想を正しく説明し、自分の人間観と区別しているか。
- 問2:資料5のどの記述を評価し、何を理由としているか。予測と仮定を混同していないか。
- 問3:前2問を踏まえ、学びや活動を選ぶ理由を伝えているか。
塾長・後川慶一が答案を直接読み、直す箇所とその理由をコメントします。指摘を理解して自分の答案を確認すると、次の問題でも使う視点を整理しやすくなります。
チャット・メールによる質問・相談も利用できます。スタンダード以上のプランには完全個別オンライン授業があり、授業や添削の回数はプランによって異なります。
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相談するときは、「この資料のこの記述を、答案のこの文に使った」と示してみてください。評価に迷う箇所が伝わると、確かめたい条件や根拠を具体的に整理できます。
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慶應SFC総合政策2025年度小論文でよくある質問


資料の使い方や設問の条件を、最後に確認しましょう。該当する回答を読んだら、自分が解く問題と答案へ戻って照合してみてください。
【まとめ】慶應SFC総合政策2025年度は3問のつながりを確かめよう


問1・問2の考えを問3へ結び付け、自分の答案の条件と根拠を確認しましょう。
なぜなら、解答例の言葉を覚えるだけでは、自分が何を理由に論じ、どの条件を満たしたかまでは確かめられないからです。
この記事のまとめ
- 問1:複数人物の思想に触れ、人間観と生涯をかけて目指す姿を述べる。
- 問2:資料5を理由付きで評価し、自分の未来社会像と先導者としての生き方を示す。
- 問3:前2問を踏まえ、SFCで学ぶ内容や活動を選ぶ理由を説明する。
他年度を探す場合は総合政策学部の5年分の過去問一覧へ。別年度で考え方を確かめたい方は、総合政策2026年度の解答例と解説にも取り組んでみてください。
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